家具の中でも主役級のダイニングテーブル。サイズ選びはぜったいに失敗できませんよね。
WEBで検索すれば、ダイニングテーブルの大きさやサイズについての選び方がたくさん見られますが、その多くは「使う人数」を基準にサイズを選ぶことを紹介しています。
もちろん、人数でテーブルサイズを選ぶことはとても重要であり、基本的なことです。しかしそれだけで決めるのはおすすめしません。私自身、数多くのお住まいへ伺いましたが
という不満を持っている方が多いのも現実です。その多くは、使う人数だけでサイズを選んでしまい、「どうやって使うのか?」を明確にしていないからです。
この記事では
- 最低限のサイズはいくつか?=人数に対しての最低サイズを知る
- +αのサイズ感の考え方=「どう使うのか」を考えてみる
を解説しています。
インテリアコーディネーターとして経験した、実際に住む人を考えたリアルな考え方をご紹介しています。どうぞ、テーブルサイズ選びの参考にしていただければ幸いです。
ダイニングテーブルを「人数」で選ぶ目安
ダイニングテーブルの基本的な選び方は、人数に対して最低限どのぐらい必要か?という点をまず最初に考えます。
結論から言ってしまうと
1人当たり幅60cm×奥行40cm
を目安にして下さい。食事をするという動作においてはこのくらいのスペースが必要ということですね。
このスペースが確保できれば、問題なくお食事ができます。言い換えれば、食事をするにはこのぐらい確保してほしいという最低限の目安と言えます。
これは、身体のサイズや動作にあわせて設備を設計する人間工学(にんげんこうがく・エルゴノミクス)という考え方により決められています。あまり難しく考えなくてもいいので、一人分の寸法(60×40cm)だけ覚えておけば問題ありません。
1-2人で使用する場合
1-2人が使う場合の基本サイズは
向かい合わせで使う場合は60×80cm、横並びで使うときは120×40cm程度あればいいでしょう。とは言え、実際にはこのサイズは需要が少ないため、あまり販売されていません。
そこで、市販のサイズから選ぶ場合は
- 四角の場合:80cm×80cm
- 円の場合:直径80cm
くらいのサイズ感をおすすめします。
3-4人で使用する場合
3-4人で使用される場合の目安は下記のとおりです。
- 四角の場合:幅120×奥行80cm
- 円の場合:直径110cm
5-6人で使用する場合
5-6人で使用される場合の目安は下記のとおりです。
- 四角の場合:幅180×奥行90cm
- 円の場合:直径130cm
テーブルをどう使うのかを考えてみる
最近ではダイニングテーブルは多目的に使うことが増えています。食事をするスペースだけを考えると、上記の人間工学上のスペースで十分です。
しかし、現代ではテーブルを使用する用途や使いみちが広がっています。お食事をする以外の使い方ということですね。
つまり最低限のサイズは感は押さえつつ、ダイニングテーブルに食事以外にどんな機能を持たせるかというのがサイズ選びの大切なポイントになります。
主な使いみちを考えると下記の通りでしょうか。
- 在宅ワークやパソコンの作業
- 子供の勉強机として
- 新聞を読む
- 来客時の応接
- 食事を長い時間楽しむ
在宅ワークやパソコン作業
コロナ禍の影響も相まって、2019年時点でのテレワーク率が10%程度だったのに対し、2022年現在では30%程度まで上昇しています。(内閣府の発表)働き方も変わり、副業での在宅ワークも増えていくことが考えられます。
テーブルの使い方を考えると、ノートパソコンを使いながら、参考資料や帳簿などをテーブルで広げたり、デスクライトを使う可能性もあります。その場合もことも想定しておくほうがいいでしょう。
テーブルを使って在宅ワークが想定される場合、2人暮らしでの家でも、4人用のテーブルへとサイズアップするほうが後々の利便性は高くなると予測できます。
子供の勉強机として
子供部屋の学習机を簡易的なものにし、ダイニングで学習をするご家庭が増えています。子供の様子を見ながら家事をしたり、仕事をすることができるので、多様化する働き方に対応したスタイルだと言えます。
複数人のお子様がいる場合や、在宅ワーク+子供が勉強という複数人で使用するケースも考えておく必要があります。
新聞を読む
新聞はかなり大きく、広げたサイズは幅812×高さ545㎜です。つまり、ひとり分の食事スペースよりも大きいです。普段から新聞を読む習慣がある方は、この点にも注意が必要です。
他の家族と一緒に使う時間帯を考えて、重ならないのであれば問題ありませんが、テーブルの向かい側で誰かが作業をする可能性がある場合は意識したほうがいいでしょう。
来客の頻度
テーブルサイズを考える要素としては他にも来客の頻度が考えられます。
例えば
- 週末は夫婦どちらかの両親が来る
- 友人を家に招き、食事を楽しむことが多い
など、家族+αの人数を想定することも場合によっては必要です。
食事を長い時間楽しむ
どのくらいの時間お食事を楽しむかというのも意識してみてください。
例えば
- 食後にゆっくりと晩酌したり、ティータイムを楽しむ
- 食事しながらテレビを視聴する
など、長い時間テーブルで過ごす場合はワンサイズ上げたほうがより快適に過ごせます。
これはわたくし個人の話なのですが、台湾茶が好きで、週に2回は飲んでいます。台湾茶は茶器や茶道具が多いためテーブルの上にモノが多くなりがちです。
こういった趣味に近いような食事の嗜好は、テーブルピッタリに収まっても手狭に感じてしまうものです。「テーブルに必要な物が乗ればいい」ではなく「ゆったりと楽しむためにテーブルを大きくしよう」と考えるのもおすすめです。
まとめ 新時代のテーブルサイズの選び方
冒頭から繰り返し書いていますが、とにもかくにも
生活を考えて使い方を想像する
というのがとても大切です。
ましてや、テーブルは高価なもの。使い勝手が悪くても買い替えはなかなか難しいのです。デザインも重要ですが、サイズは使い勝手に直結しますので、じっくり考えて選ぶことをおすすめします。
もしかしたら、この記事を通して、
というメッセージに感じられたかもしれません。確かに、スペースがあれば大きいほうがいいというのはひとつの正解です。しかし、用途として必要なければ大きすぎる必要はないのです。
書斎があれば仕事は書斎で出来ますし、応接間があればそこで来客の対応をすればいい、和室があれば畳に広げて新聞を読んでもいいんです。
機能性を分離して快適な生活をするのか、テーブルを多目的に使用して、ほかの場所にゆとりをつくるのも正解です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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