デザインのいいゴミ箱(リビング編)7選

実用的なモノや道具であればあるほど、デザインは重要です。なぜなら、嫌でも置かなくてはならないものだからです。

置きたくないけど、必ず置くもの…その最たるものはゴミ箱ではないでしょうか。どうせ置くのなら、デザインのいいものを置きましょう。今回の記事は、インテリアコーディネーターの管理人が紹介する「デザインのいいゴミ箱・7選」です。

ご紹介したゴミ箱は、すべて実物を見ています。実物を見た管理人が、自信をもっておすすめできるものだけを紹介しています

※今回紹介するゴミ箱は、リビングに置くサイズをイメージしています。キッチン用の大型ゴミ箱はまた別の記事でご紹介します。

目次

目立たないけどセンスの良いゴミ箱:SWING BIN(スウィング ビン)

ブランド:MOHEIM(モヘイム)
国:日本
デザイナー:竹内茂一郎

シンプルだけど印象に残るゴミ箱の傑作

MOHEIM(モヘイム)は2014年に誕生したブランドです。まだ比較的新しいブランドですが、実は母体となっているのは1987年創業の株式会社プラスティックスという会社。デザイナーの竹内茂一郎さんと2014年に立ち上げました。

MOHEIMは、生活空間におけるデザインの目的と意味を考え、プロダクトを生み出すライフスタイルブランドです。

色あせることのない、永く愛着をもって使えるデザイン。

どんな暮らしにもしっくりとなじむ、洗練された佇まい。

ずっと大切にしたい、上質で調和のとれた日々の風景を思い描きながら、デザインに取り組んでいます。

MOHEIM 公式サイト

スウィングビンはまさに、永く愛着を持って使えるデザインだと言えます。シンプルだけどスタイリッシュ過ぎず、デザインが派手ではないけれど印象に残る。シンプル好きだけど、デザインも好きという方には特におすすめしたいです。

ここ十年くらい「シンプルなもの」「新しいスタンダード」を売りにするブランドが数多く誕生しています。そういった時代なのでしょう。しかし、どのブランドを見ても無印良品を意識したようなデザインで、独自性があるブランドは非常に少ないです。

その点このスウィングビンは、独特の存在感を持ちながらも、とことんシンプル。必ず置かなくてはならないものこそ美しく、というゴミ箱の理想にぴったりと沿った傑作デザインです。

ナチュラル派であれば、木製フタのタイプ。ミニマリスト志向であれば、白かグレーの本体&フタの同色タイプをおすすめします。

アートピースのようなゴミ箱:ハッピービン

ブランド:vitra(ヴィトラ)
国:スイス
デザイナー:Michel Charlot(ミシェル・シャーロット)

部屋に置く現代アート

ハッピービンは少し歪みのあるようなデザインが特徴的。デザイナーのミシェル・シャーロットは、漫画や彫刻にインスピレーションを得てデザインしたとのこと。何の漫画なのかは調べられませんでしたが、確かに言われてみれば漫画の表現のような不思議な形をしたゴミ箱です。

ゆがんだような形はアート作品のようでもあり、ミッドセンチュリーなどのカラフルなインテリアを好む方はもちろん、逆にスタイリッシュなシンプルモダンインテリアのアクセントとしても取り入れてほしいゴミ箱です。

ホワイトやブラックだけでなく、レッドやイエローなどのカラーバリエーションがあるので、近代アート的な雰囲気を強めるのであれば、ビビットなカラーを使うのがおすすめ。存在感が強まります。

メーカーは世界的インテリアブランドのvitra(ヴィトラ)。数多くのデザイナーと協業し、名作をたくさん生み出してきたブランドです。

ミニマリストのためのゴミ箱:トラッシュ

ブランド:MAGIS(ヴィトラ)
国:イタリア
デザイナー:Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)

ミニマリストならこのゴミ箱を買うべき

トラッシュは無印良品などでもデザインを手掛ける、イギリス人デザイナーのジャスパーモリソンが手がけたゴミ箱です。

何といってもポイントは極限までにシンプルさを突き詰めたデザイン。これは無印良品の商品全般にも言えることですが、シンプルではあるものの、曲線の美しさが素晴らしいんです。

特に上から見たカドマルの形状、横から見たときのくびれ具合が本当に良い。穴が空いた上蓋は取り外すことができ、見えないようにゴミ袋をかけることもできます。

イタリアブランドであるMAGIS(マジス)はとがったイタリアンデザインとは一線を画す、ユーモアのある家具やキッズ家具も多数販売しているインテリアブランドです。

紙くずのようなゴミ箱:bin bin(ビンビン)

ブランド:essey(エッセイ)
国:デンマーク
デザイナー:John Brauer(ジョン・ブラウアー)

クシャクシャに潰されたようなゴミ箱

ビンビンは個性的で少しクセのあるデザインです。ゴミ箱自体にまるで紙くずのようなシワが入り、一見なんの素材か分からない雰囲気。まるでゴミ箱自体がゴミのような、メッセージ性があるように感じる変わったデザインです。

このゴミ箱の設計時には、実際に500個の紙を握りつぶしたものを3Dスキャナーで撮影し、いちばん綺麗にくしゃくしゃになったものをベースに製品化した、というストーリーがあります。

これはトロンプ・ルイユ(だまし絵)のような錯覚を起こすようなデザインです。本質とは異なるような見た目、例えば柔らかそうですごく硬いもの、のようにミスマッチ感を感じる表現は遊び心があって非常に面白いです。

こういったアイテムをインテリアで取り入れると、単調にならずにいいアクセントになります。このビンビンは、モダンインテリアが好きな方や、モノトーン好きの方の部屋に置くとすごく映えます。

ジョン・ブラウアーは、ほかにもティッシュボックスやテーブルをデザインしています。どれも独特のセンスがあり、インテリア好きにはぜひ取り入れてほしいものばかりです。

100年前から作られているゴミ箱:テーパーバケット

ブランド:ぶんぶく
国:日本
デザイナー:不明

板金加工のプロ集団が作る普及の名作

テーパーバケットは、創業100年を超える株式会社ぶんぶくがつくるロングセラーのゴミ箱です。このテーパーバケットが誕生したのはおよそ60年ほど前。当時は普及型屑入れというネーミングだったとのことです。

非常に感動した文言があったので、カタログの本文より下記の通り引用させていただきました。

元々この商品はバケツから弦を取りゴミ箱に転用したのが始まりです。そこに床を傷つけな
いようサッシュを取り付け、ストッキングが伝線しないように鉄板の継ぎ目を隠す縁を巻き、
胴体部分の強度を上げるためにリブを設ける、など少しずつ改良されてこの形におさまってい
きました。

株式会社ぶんぶく 公式カタログより引用させていただきました

日本の高度経済成長期からずっと販売が続くテーパーバケットは、2015年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞。使い勝手を一生懸命考えて、改良していくという日本流のモノ作りは本当に素晴らしいです。

パーパーバケットにはフチ部分にネオンカラーを施した「ツートーンテーパー」というモデルもあり、色合わせがとてもおしゃれなツートーンになっています。モダンでかっこいいです。

レトロやモダンスタイルにはぺーパーバケット、北欧インテリアにはツートーンテーパーがとてもマッチしますね。

ゴミを待つゴミ箱:IN ATTESA(インアテッサ)

ブランド:DANESE(ダネーゼ)
国:イタリア
デザイナー:Enzo Mari(エンツォ・マーリ)

紙くずを投げて捨てるためのゴミ箱

イタリアデザイン界の巨匠エンツォ・マーリが1971年にデザインしたIN ATTESA(インアテッサ)。日本語で「待っている」という意味の、ユニークなネーミングのゴミ箱です。

このゴミ箱は、斜めに立つという視覚的な面白さだけではなく、座っていて紙くずを放り投げたときに受け止めるかたちをイメージしたといいます。ゴミを投げ入れるときに、描く放物線をちょうど迎え入れるような形ですね。だからインアテッサ(待っている)というネーミングなのです。

底面を斜めにカットしただけではなく、口部分は途中から広がっています。これは、工業デザイナーのエンツォ・マーリらしい、さすがといったデザインです。数々の名作デザインを所蔵するニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクション(永久所蔵品)にも認定されています。

経年変化を楽しめるゴミ箱:サイトーウッド No.901 

ブランド:サイト―ウッド
国:日本
デザイナー:不明

軽くて丈夫な成形合板(せいけいごうはん)の技法

サイト―ウッドのNo.901は1959年に発売され、今も販売が続くゴミ箱です。ウォールナット材やアユース材などの天然木を原料にし、成形合板(せいけいごうはん)という技術で製作されています。

軽くて丈夫なのが特長で、木材特有の経年変化を楽しむことができるのもうれしいです。

成形合板(せいけいごうはん)という言葉は聞きなれないかもしれませんが、0.2~1mmの薄い木材の板を重ねて合わせ、熱と圧力をかけてかたちを作る技術です。軽くて丈夫で、ある程度自由な形をつくることができます。

No.901はどんな部屋にも合わせやすいです。木質系の家具が多い部屋では当然マッチしますし、モダンやモノトーンの部屋にも違和感なく合わせられます。

まとめ

日用品こそデザインを

物をどれだけ少なくしようとも、ゴミ箱はどうしても部屋に置かなくてはなりません。ゴミ箱のように、常に見える日用品こそ、デザインが重要なのです。

機能や性能があってこそのデザインはありますが、日常でよく見るもののデザインにこだわることは、生活を豊かにすることです。ぜひ、そんな目で身の回りモノに注目してみてください。

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この記事を書いた人

家具のコーディネートを中心としたインテリアコーディネーター・スタイリストをしています。ジャンル問わず家具やインテリアを好み、民芸品や器、デザイン家電や植物などにも興味があります。
だいたい家にいますが、たき火は好きです。夢は、庭の広い古民家を買って、本を読みながらたき火をして過ごすこと。旅行も好きですが半径5メートルで世界が完結すればそれでもまた良し。

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