読書好きのみなさま、長時間読書をしているときに
疲れてもう本が読めない…
と、集中力が切れてしまうことはないでしょうか。
これは、椅子に原因があることが多いです。
読書を趣味にしている人にとっては、本の世界にどっぷりと浸かりたいもの。現実の身体の不調は完全に雑念でしかないのです。
私自身も年間100冊程度の読書をするので、どんな椅子に座って本を読むかというのは重要な悩みだと感じます。
そこで今回の記事では、読書好きの方に向けて、「疲れにくい読書用の椅子」について、詳しく書いていきますね。

また、私は現役のインテリアコーディネーターとして仕事をしています。機能だけ満たせばいい、とは考えていません。
できるだけ快適で、できるだけ美しいものを紹介したい
というポリシーがあります。(こういう、やや面倒なところが読書家っぽいです)
疲れにくい椅子を選びつつインテリアも素敵にしたい、と考えている皆様のお力になりたいと考えておりますので、良かったらぜひ最後までご覧ください。
- まずは椅子をどこに置くかを考えよう
- 椅子の選び方のポイント
- シチュエーション別・おすすめの疲れにくい読書椅子
椅子をどこに置く?

椅子を買う前に、まずは椅子をどこに置くのか(どこに置けるのか)をイメージしてみましょう。
例えば、
- ダイニングテーブルに合わせて置く
- リビングでソファに合わせて置く
- 書斎のチェアとして置く
上記をイメージしておくことにより、部屋の雰囲気や用途に合った椅子を選ぶことができます。もちろん、座り心地が良いものを選びたいのですが、あまりにも雰囲気が合わないと失敗してしまうかもしれません。
また、家具をできるだけ増やしたくない場合は特に「何かの椅子と兼用できないか?」という考えかたをするのもおススメです。
できる限り、購入前に置く雰囲気をイメージしてから購入しましょう。
疲れにくい読書椅子選びのポイント
疲れにくい椅子の選び方について、まずは結論から書きます。
- 背座は硬い材質ではなく、適度に柔らかいものを選ぶ
- アーム(肘置き)ありを選ぶ
- 背もたれはやや角度がついているもの
- 革張りより布張り
上記の項目を満たすものがおすすめです。
順番に解説していきますね。
背座は硬い材質ではなく、適度に柔らかいものを選ぶ

座面や背もたれの素材として、硬すぎず、適度に柔らかいものを選ぶのがおすすめです。
具体的には、木そのものの椅子ではなく張地があるものが良いです。木そのもののほうがデザインはシャープで美しく、耐用年数も長いですが、長く座っていると身体が痛くなってしまいます。
特に真っ平らな座面のものを選んでしまうと、15分くらいでお尻が痛くなります。食事の時間だけの椅子であればまだ良いのですが、長い時間を過ごす読書には向きません。

しかし、矛盾するようですが長い期間に渡って使うなら木材の座面が良いので、木の座面のタイプを購入して、座布団やシートパッドのようなものを置くのもアリです。
アーム(肘置き)ありを選ぶ

本を読む場合は、アーム付きの椅子を選ぶのが断然良いです。
本は重いので、長く持ったままでいると腕がしびれてしまい集中できなくなってしまいます。快適に読書を楽しむためにも、アーム付きの椅子を選びましょう。
肘を置くだけなので、短めのアームの椅子でも構いません。
背もたれは角度がついているものを
背もたれは、やや角度がついている椅子を選びましょう。
直角に近いような背もたれは、パソコンや書き物の作業には向いていますが、リラックスした姿勢での読書には向きません。
少し角度がついている、軽休息用の椅子が読書には適しています。
また、リクライニングが可能なワークチェアも読書にはおすすめです。
革張りより布張り

椅子の張地としては、革よりも布が張っているタイプのほうがおすすめです。
というのも、革張りは空気が通らないので、長時間座っていると蒸れてきてしまいます。蒸れると集中力が削がれる要因となってしまうのが難点なのです。
革は高級感があって耐久性も高いのですが、長く座るシーンだと布張りの椅子に軍配が上がります。
シチュエーション別・疲れにくい読書椅子

それではここからは、具体的に「疲れにくい読書椅子」のご紹介をしていきますね。ぜひ、置く場所を想定してからライフスタイルに合った椅子を選んでみてください。
ダイニング・リビング・ソファ・書斎と、4つのシーンで各3点ずつおすすめを上げてみました。ぜひ検討のヒントになればと思います。
【ダイニング編】

ダイニングで疲れにくい読書椅子を選ぶ場合、ポイントとなるのは「悪目立ちしないシンプルなデザイン」を選ぶこと。
イメージとしては、
休息もできるダイニングチェアを選ぶような感じ
です。
CH24(Yチェア)
ご存じ、YチェアことCH24です。デンマーク発のカールハンセン&サン社の名作チェアです。
CH24は座面がペーパーコードで織られており、通気性がかなり良いです。また短めのアームも取り回ししやすく、読書には最適です。
このままでも良いですが、デザインの近いオットマン(足置き)があるとより快適に読書を楽しめます。
Yチェアのいいところはやっぱりその美しさ。後ろから見ても横から見ても曲線の美しさが際立ちます。
また、重量も5㎏を切る重さで、女性でも軽々運べるのもポイントが高いですね。読書椅子に迷って、ダイニングチェアがまだ決まっていないならYチェアがまず間違いありません。
飛騨産業 クレセント アームチェア
日本を代表する名作椅子、飛騨産業のクレセント。発表されたのが1995年なので、30年続くベストセラーです。飽きの来ない、メイドインジャパンの名作です。
クレセントは「立ち上がりたくない」椅子と呼ばれるくらい、疲れにくく座り心地の良いチェア。厚めでふっくらした座面が座り心地のポイントです。
クラシック家具の様に広がった脚のデザインも非常に美しく、個人的にはイチオシしたい逸品です。
マルニ木工 ヒロシマアームチェア
こちらも、同じく日本を代表するアームチェアの「ヒロシマ」です。
アップルコンピューターの社員食堂に数千脚納められたことでも有名な、名作椅子です。ヒロシマのいいところは、背もたれが湾曲したカーブを描いていること。
斜めの姿勢で座ったり、少し姿勢を崩して座っても、背もたれが身体を受け止めてくれるので、快適で疲れにくい読書姿勢を取ることができます。
重量がやや重めですが、その重厚さが高級感を演出します。
【ラウンジチェア編】

ラウンジチェア、またはパーソナルチェアとも呼ばれますが、これは一人用の休息いすのこと。読書椅子の分野では、実はこのタイプが大本命です。
例えて言うならば、ソファとベッドの間のような立ち位置でしょうか。サイズが大きいことが多いのですが、スペースに余裕があればラウンジチェアが快適です。
ニーチェア エックス
結論から言うと、筆者自身はいろいろな条件を加味して、このニーチェアを購入しました。
私の場合、座り心地や疲れにくさも意識しましたが、購入の決め手になったのは私のライフスタイルにはぴったりとハマったこと。
ひと言で言うと、折りたためるし、快適だし、名作だから。という感じでしょうか。
良かったら私が購入に至るまでのストーリーを描いた関連記事のリンクを貼っておきますので、ご覧ください。

天童木工 マットソン ハイバックチェア
私の「スペースがあるならば絶対にコレにした」第1位がこのハイバックチェアです。とにかく座り心地が良く、疲れにくい。
クラシックなデザインは好みが分かれるところではありますが、軽すぎず重すぎずのデザインがちょうど良い塩梅だと私は感じます。
リビングにあってももちろん素敵ですが、縁側や和室においてもサマになるのが天童木工の妙技ですね。
もし、充分なスペースがあって、「とにかく座り心地が良くて、疲れにくい椅子」というのであれば、私を信じてこれを買ってください。本当に良い椅子です。
カリモク60 ロビーチェア
60年代家具の復刻的な位置づけなので、ややレトロな雰囲気であるカリモク60のロビーチェア。
デザインの好みは分かれるところですが、座面にはモールドフレックスという高密度ウレタンを採用していますので、座り心地はかなり良いです。
長く座ることに長けているので、同ブランドのKチェアよりもこのロビーチェアのほうがおすすめです。また、こちらもスペースに余裕があるのであれば、オットマンを合わせて購入するとかなり快適に過ごせます。
1人用のソファという位置づけですが、脚が浮き上がっているデザインなので見た目の重さも少なく、寝室の片隅とかに置くのもおすすめです。
【書斎編】
書斎編では、いわゆる「ワークチェア」「事務椅子」というジャンルのものを紹介します。パソコンなどの作業にも対応したものなので、デザインがやや重くなりがちです。
完全に独立した書斎であれば別ですが、オープンな空間でのワークスペースであれば機能とデザインのバランスをどう取るか、というのがインテリアのポイントになってきますね。
アーロンチェア
マイクロソフトの社員も使っている、ワークチェア界の金字塔アーロンチェア。
パソコンに向きますし、書き物などの筆記作業にも向く。リクライニングをすれば休息にも使えます。現時点でのワークチェア界の最高峰の椅子だと思います。
アーロンチェアは1日10時間座る人も使うくらいの高機能ワークチェアなので、読書だけだとややオーバースペックかもしれませんので、デスク作業もするけど、読書もするというユーザーへおすすめしたいです。
本当にかなり疲れにくいので、価格が高いのは仕方ないところ。
エルゴヒューマン プロ (オットマン付き)
エルゴヒューマンは台湾のコンフォートというメーカーで製造されているチェア。上記アーロンチェアよりも価格が安く、機能もかなり良いコストパフォーマンスに優れたチェアです。
このエルゴヒューマンには「内蔵型オットマン付き」のモデルがあり、休息時にはオットマンを出してリラックス姿勢になることで、かなり疲れにくい姿勢をとることができます。
仕事モードとお休みモードを切り替えられるのが特徴なので、仕事にも遊びにも使える椅子ですね。上記アーロンチェアよりも、ワーク機能は劣りますがリラックス機能はこちらが上ですね。
オットマンを出したリラックス状態が疲れにくく、快適な読書を楽しめます。
無印良品 ワーキングチェア・背座ワイドタイプ
過去にグッドデザイン賞も受賞したことのある本品は、本当にきれいなデザインです。
無印良品は積極的にデザイナーを明かすことはありませんが、実はすごいデザイナーが監修していることも多く、シンプルだけど目を惹かれるデザインばかりです。
なかでも今回紹介したのは、これまでの過去のシリーズの中でも一番デザインが美しい椅子。オープンタイプの書斎であればこのデザインはとてもサマになるでしょう。
上記の2つの「ガチ仕事椅子」に比べると機能は落ちますが、それでも読書が2時間程度であれば疲れにくく快適に過ごすことができます。
なお、こちらの椅子の場合は、アームが別売りになるので一緒に購入されること強くをおすすめします。
【番外編】外で読書を楽しむための椅子
番外編として、アウトドアでも使える椅子をご紹介いたします。
デッキで使用したり、キャンプなど外で遊ぶことやアウトドア好きには特におすすめの椅子たちだと思います。
コールマン インフィニティチェア
アウトドアメーカーのコールマンが販売するインフィニティチェア。これ、かなり良いです。私もこのチェアを所有しており、庭で使用したりソロキャンプに持っていきます。
アウトドアチェアの中では重量は重めなので、車でのソロキャンプでしか活躍できませんが、このチェアに座って読書するのがキャンプでの私の一番の楽しみです。
かれこれ1年使っていますが、メッシュの背座が伸びてしまうようなこともなく、とても快適に使っています。や
や大きめなので充分なスペースが必要ですが、疲れにくい読書椅子候補の筆頭ではないかと思います。
スノーピーク(snow peak)チェア ローチェア30
スノーピークのローチェア30は、座面が30cmと低めの椅子です。座っていても足がしっかりと地面に付く椅子になっていますので、ソファの様な座り心地に近いです。
私の場合は、たき火をしながら読書するときにこの椅子を使用しています。
また、各パーツも作りが安っぽくないので、部屋のインテリアとしても違和感がありません。外で使わないときは家に置いてもインテリアとして成立する品質です。
MG501 キューバチェア チーク材 フラットロープ仕様
カールハンセン社のMG501は折り畳みができるチェアです。デザインが美しく、折り畳み椅子の大傑作です。
背座の角度の心地が良く、程よく硬めのフラットロープは長時間の読書でも疲れにくいです。
チーク材とフラットロープの仕様なので完全な雨ざらしのスペースでは厳しいですが、屋根があるテラスであれば快適にご使用できます。
また、同じくキューバチェアには「ペーパーコード仕様」もありますが、外で読書をするのにおすすめなのは「フラットロープ仕様」です。お間違いなく。
また、名作だからか模倣もされやすく、コピー品が多いので注意してください。正規品は「カールハンセン&サン社」製品です!
【まとめ】疲れにくい読書椅子でインテリアを楽しもう

今回の記事では「読書をするときに疲れにくい椅子」の選び方と、具体的なおすすめ椅子をシーン別に12種類ご紹介しました。
読書は楽しいですが、同じ姿勢を取り続けると疲れてしまうもの。ぜひ疲れにくい椅子で快適な読書ライフを楽しんでみてくださいね。
また、このブログでは何度も申し上げていますが、家具はどこまでいっても道具です。
つまり
機能を満たしたうえで、なるべく美しくデザインの綺麗なものを選ぶ
ということが、インテリアを楽しむ秘訣だと私は思います。読書用とは言え、椅子も室内の調度品のひとつなのですから。
といっても、私もデザイン好きが高じて「デザインは好みだけど座り心地がかなり悪い椅子」や「ヴィンテージ過ぎて今の生活に全く合わない照明器具」などを購入したこともあります。
でも、それでいいと思うんです、インテリアというものは。
機能とデザインがあって、そのグラデーションの中で気に入ったものを選ぶ。(悩んで選ぶとさらに良い)そのプロセスを踏んだものには愛着が湧き、結果的に長く使えることになります。
インテリアライフ、どうぞ楽しんでください。悩んだらいつでもコメントしてくださいね。長いブログを最後までお読みいただき本当にありがとうございました。

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