アームチェア(肘付き椅子)のメリットとデメリットを詳しく解説

ダイニングチェアを選ぶとき「アーム付きの椅子が良さそう」と考えることも多いと思います。アームチェアは快適ですが、使う上で注意するポイントもあります。今回の記事では、アームチェア(肘付き椅子)のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

目次

アームチェア(肘付き椅子)のメリット

アームがある椅子には様々なメリットがあります。結論から言ってしまうと、スペースがあるのであればアームチェアを選んだほうが快適に過ごせると言えます。

長時間座っても疲れにくい

アームがあると長時間座っていても疲れにくいです。実は、エルゴノミック(人間工学)的な考え方をすると、肩こりの原因となるのは腕の重さだからです。腕をぶらんとさせたままだと肩へと負担がかかるため、肩こりが起こりやすいのです。

長時間座る場合には特に、身体への負担が少ないほうが快適に過ごせるため、できる限りアームが付いていたほうが長く座るのに向いていると言えます。

パソコン作業がしやすい

パソコンをする際も、チェアに肘があると快適に使うことができます。前項でもあげていますが、腕を上げっぱなしにするタイピングは、想像以上に肩へと負担がかかってしまいます。

1時間以内の作業であればなんとか我慢できますが、在宅ワークやお仕事の持ち帰りがありダイニングテーブルで3時間以上のパソコン操作がある場合にはアーム付きの椅子を強くおすすめします。短期的には問題がなくても、長期間に渡って続けると身体の不調につながりやすいため、日常的にパソコンを使う方はアーム付きの椅子をご検討ください。

立ち上がる時に楽

食事を終えて立ち上がる際、アームに手をかけると楽です。普段は意識しない行動かもしれませんが、腰痛や肩こりがひどい方はかなり違います。

テーブルに手をついて立ち上がる方もいらっしゃいますが、テーブルが1本脚の場合や、脚が内側によっている場合は安定が悪いので注意が必要です。

くつろぎや団らんに向いている

ダイニングで長い時間くつろいだり、会話を楽しむなどの団らんをする家庭ではアーム付きの椅子が向いています。特に、夜お酒を飲む習慣がある方はダイニングで長い時間過ごすので、過ごす時間が長くなります。

ほかにも、鍋料理が多いご家庭や、来客が多い家でもアームチェアは活躍します。現代の住まいでは、応接室というのはほとんどなく、ダイニングテーブルで来客のご対応をされることが多いと思います。

お仕事の終わりに、ダイニングでくつろいだり語らう時間はとても大切な時間です。その時間を長く快適に過ごすためにも、アームチェアがあるとより快適です。

アームチェア(肘付き椅子)のデメリット

肘があることで得られるメリットをたくさん伝えてきましたが、逆にデメリットもあります。

スペースをとってしまう

アームなしに比べ、スペースを多くとってしまいます。特に横幅が大きくなるため、テーブルのサイズに影響します。具体的には、アームなしを2脚並べる横幅はおよそ120cmですが、アームつきを2脚並べると150cm程度は最低でも欲しいです。

また、椅子に出入りするときにアームチェアは後ろにいったん椅子を引かないといけません。(アームがあるので、座ったまま横方向に出られない)

アームチェアは幅方向にも椅子の後ろにも十分なスペースが必要なので、ダイニング空間にゆとりが必要です。

テーブルに入らないことがある

アーム付きの椅子はテーブルに入らないことが多いです。特に、テーブルの下に幕板というパーツがある場合はほとんど椅子が中に収納できません。

※幕板は強度アップのために天板下に横に通る補強材です。

つまり、椅子が出しっぱなしになります。椅子の後ろに通路がある場合は動線の妨げになってしまいます。

テーブルが決まっている場合は、テーブルの天板下にどれだけスペースがあるのかを把握する必要があります。

重い

アーム付きのものは、ないものに比べ重量が大きくなります。これは、日頃お掃除をされる方にとって特にデメリットになります。掃除機をかける時、毎日重いものを動かさなくてはなりません。

対策としては、脚先にフェルトを貼り滑らせるように動かすと楽です。

価格が高い

当たり前ですが、一般的にアーム付き椅子はアームなしよりも金額が高いです。4脚をアーム付きにする場合は数万円変わってくることもありますので、家具にかける予算を多く取る必要があります。

第3の選択 ショートアームチェア

ここまで、アーム付きとアームなしのいすのメリットとデメリットを書いてきましたが、第3の候補があります。

それは

ショートアームチェア(ハーフアームチェア)

という選択です。短いアームがついた椅子のことですね。ハーフアームチェアという別名のほかにも「セミアームチェア」「ちょい肘チェア」と呼ばれることもあります。

くつろぎもパソコンもそこそこ使いやすくて、スペースも大きく取らない。お部屋がそこまで広くないけど、多目的にダイニングを使う場合には、ショートアームはおすすめの選択肢です。

まとめ 過ごす時間とスペースで椅子選びをする 

スペースが十分あるならアームチェア

パソコン用の椅子の数多くがそうであるように、長く座ったり作業をするのであればアーム付きの椅子が向いています。スペースが許すのであれば、基本的にはアームチェアのほうが快適性が高いためアームチェアの使用を推奨します。

実際にはアームなしを選ぶことの方が多い

わたし(管理人)も数多くのお客様の家具選びに関わってきましたが、スペースの問題からか、実際にはアームなしの椅子を選ばれる方が圧倒的に多いです。

というのも、住宅の設計の多くが

アームチェアを置くことを前提に作られているわけではない

のが大きな理由です。

逆に言うとダイニングでの過ごす時間を大切にしたい場合は、事前に設計士さんやハウスメーカーへと「アームチェアを使いたい」と、伝えて設計をお願いしたほうがいいですね。

希望を伝えることで、ダイニングテーブルの周辺のスペースを確保することができます。

【重要】過ごし方をよく考えてみる

このブログでは重ねて伝えていますが

「どこ」で「どんな過ごし方」をしたいのかを時間をかけて考える

ことおすすめしています。

  • どこでどんな風に過ごすか
  • ダイニングとリビングのどちらにいることが多いか
  • 来客の頻度はどうか

これは家具選びよりももっと前、間取りのプランニングにも影響しますので大切な問題です。

家具のプランニングとは、言い換えれば

どの場所に、どれだけこだわるのか

ということでもあります。過ごし方や過ごす場所によって、バランスを取っていくのが一番大切です。

スペースの制約があるのであれば、1〜2脚だけアームチェアにすることを検討してもいいでしょうし、大人の数だけアームチェアを用意する…などもアリです。

生活のスタイルを考えてみて、適度なバランスで家具選びを楽しんでください。

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この記事を書いた人

家具のコーディネートを中心としたインテリアコーディネーター・スタイリストをしています。ジャンル問わず家具やインテリアを好み、民芸品や器、デザイン家電や植物などにも興味があります。
だいたい家にいますが、たき火は好きです。夢は、庭の広い古民家を買って、本を読みながらたき火をして過ごすこと。旅行も好きですが半径5メートルで世界が完結すればそれでもまた良し。

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