ダイニングチェアを選ぶとき、どんなことを基準にしていますか?「使い勝手」「デザイン」どちらも重要な要素ですが、どちらか片方だけでは充分とは言えません。この記事ではどんな基準でダイニングチェア選びをすればいいのか?を解説しています。
実用性を考えたダイニングチェアの選び方
ダイニングチェアでとても重要な要素である「実用性」についてはどんなものがあるのでしょうか。見落としてしまうようなポイントもありますので、ひとつずつ解説していきますね。
- どのくらいの期間使うのか考えてみる
- 座面の高さが身長に合うか
- テーブルの高さやサイズと合うか
- メンテナンスがしやすいか
- 背もたれの角度とアームの有無
どのくらいの期間使うのか考えてみる
ダイニングチェアを買う前にまずは考えてほしいことがあります。それは、
そのチェア、どのくらい使いますか?
ということ。数年後に引っ越すのか、このままずっと住み続ける家なのか。家族構成が変わるのか…など。それによって、チェアにかけるコストが変わってきます。
はっきり言ってしまうと、あまりにも安いチェアは耐久性も低いです。高いものが必ずしも良いものとは限りませんが、長く使うのであればそれなりの価格のものを買うことをおすすめします。
しかし、1年間の単身赴任だったら安いものでいいですし、単身赴任後に書斎で使うなら高いものでもいいと言えます。短い期間しか使わないなら価格だけを重視して選んでも良いと思います。
使用する期間を想定することは、椅子を選ぶ大切な基準となります。ぜひ購入前に考えてみてください。
座面の高さが身長に合うか
実用的なポイントの2つめは
椅子の座面高が身長に合うかどうか
です。椅子の適正な座面高は、身長によっておおよそのサイズが決められています。まずは、身長をもとに適正な座面高をイメージしておきます。
身体に合ったダイニングチェアの座面の高さ=身長×0.25
(例)身長170cm×0.25=座面高42.5cm 程度
とはいえ、座る方の座高や椅子の座面の角度によっても異なりますので、あくまで目安と考えてください。店頭でお座りいただき、よほど高すぎたり低すぎたりしなければ問題ないと思います。
ちなみに、座面の高さはSH(Seat High)と表記します。カタログなどを見るときはご注意ください。
テーブルの高さやサイズと合うか
もし、チェアを検討する時点でダイニングテーブルが決まっていれば、ダイニングテーブルの高さと合うかどうかも考える必要があります。
少し専門的なお話になりますが、テーブルの天板高さと椅子の座面の高さの差を、差尺(さじゃく)と呼びます。座面が高い椅子と低いテーブルを合わせると窮屈ですし、低いチェアと高いテーブルを合わせると非常に使いにくいです。
差尺のちょうどいい高さは、下記のように求められます。
差尺=身長×1/6
(例)身長170cm×1/6=28cm 程度の差尺
先ほどの例で言えば、身長170cmの場合28cmほどの差尺になります。座面の高さが43cmの椅子であれば43+28=71(cm)となり、71cm程度の天板の高さが適正ということですね。
しかし、ご家族全員が同じ身長であるはずもないので、こちらも目安程度に考えてください。
メンテナンスがしやすいか
食事の食べこぼしを想定し、メンテナンスが簡単なのかも大事なポイントです。座面自体がプラスチック製のものや、張地がビニールレザー(合成皮革)のものも、お手入れは容易です。
座面が木製の場合は、塗装の種類に注意して下さい。ウレタン塗装であればメンテナンスは快適です。
背もたれの角度やアームの有無
背もたれの角度にも意味があります。
直角に近い=作業系・デスクチェアのようにも使える
倒れている=リラックス系・くつろぎに適している
ダイニングテーブルをデスクとして兼用するには背もたれがまっすぐなタイプを選び、くつろぐことが多いなら背もたれがカーブしていたり、角度がついているものを選ぶのがおすすめです。
同様に、長時間お食事を楽しむ場合はアーム付きを選べばより快適に過ごせます。
ただし、アーム付きのダイニングチェアを選ぶ場合には、横幅の大きいテーブルを選ぶ必要があります。具体的には1脚あたり75センチ〜80センチくらいは欲しいところです。
コーディネートを考えたダイニングチェアの選び方
- ミックスは全然あり
- 後ろ姿も気にしてみる
- 椅子の背もたれの高さを合わせる
- 木の色を合わせる
- 1脚だけ変えるなら全部変える
ミックス
デザインの異なる椅子を複数脚混ぜて使うことがあります。
2000年頃の昔のインテリアシーンであれば、同じもので一揃えにすることが多かったのですが、近年では同じ椅子を使う方は少なくなってきました。
同じ椅子で揃えても、異なった椅子で揃えても良いと私は思っています。
同じ椅子だと整然とした印象を与え、シンプルさが際立つ空間になります。
対して、さまざまなテイストの椅子をミックスするとややカジュアル感が生まれるので、個性を出したり、リラックス感のある空間になります。
後ろ姿を気にしてみる
ぜひ、好きなデザインのものをラインナップのひとつにしてほしいです。
椅子は、座る時よりも後ろから眺めることの方が多いです。そのため、デザインも重要です。
座り心地はいいけど、デザインはあまりに気に入ってない、というのは、長く使う上で愛着がわかないので、おすすめしません。
椅子の背もたれの高さを合わせる
色々なデザインをミックスしてもいい、と書きましたが、一つだけ気を付けてほしいことは、
なるべく椅子の背もたれの高さを合わせる
ということです。「だいたい」で大丈夫です。例えば、1脚だけハイバックタイプの椅子を置くとその椅子だけが目立ってしまうのでおすすめしません。
そこまで細かく気にする必要はありませんが、椅子の背もたれの高さは同じくらいに合わせたほうが、コーディネートを考えるとおすすめです。
木材の色を合わせる
木材の色については
近い木材の色で組合わせる
ほうが無難です。テーブルとイスも含め、木材同士を組み合わせる際に色の差がありすぎると、コーディネートが難しくなります。
絶対に合わせられないわけではありません。気に入ったもの同士が色が分かれてしまったら他の家具や小物でバランスを取ることもできます。
1脚だけ変えるなら全部変える
お部屋にアクセントを取りたいと考えて
ダイニングチェア4脚のうちの1脚だけを別なデザインや色を変える
ことはお勧めしません。
チェアが2脚だけで、それぞれ別なものを使うならアリですが、4脚中1脚だけが違うと浮いてしまいます。もし、別な椅子を使う場合、2種類×2脚にするかすべてバラバラの椅子を使ったほうがいいです。
これはチェア選びに限らず、同じものの中に一つだけ仲間外れのものが入ってしまうと空間の中で悪目立ちしてしまうため、避けたほうが無難です。
【まとめ】ダイニングチェアはライフスタイルに合わせてバランスよく選ぶ
これまでダイニングチェアの「実用性」と「コーディネート」を踏まえたポイントをおすすめしてきましたが、これらすべて満たす必要はありません。ケースバイケースです。
どちらも重要ですが、ライフスタイルや生活に合わせてバランスを取っていくのが一番です。ひとつだけ言いたいことは
自分の好きなデザインを選びましょう
ということ。
実用性だけで選ぶと、いつかチェアに飽きが来ます。好きなデザインなら、多少の不便さはまぁいいか、と思えるものです。デザインだけがすべてではありませんが、生活に彩りを与えるのは良いデザインだと私は思います。
もし参考になったのなら嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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