木製テーブルの「オイル」と「ウレタン」どっちがいい?詳しく解説

木製のダイニングテーブルを買う際に、テーブルの塗装仕上げを「オイル」か「ウレタン」かで迷われる方はかなり多いです。今回のブログでは、テーブルの塗装の選び方についてそれぞれのメリット・デメリットをご紹介しています。

目次

【重要】世の中のテーブルはウレタン塗装が多い

結論の前にまずはお伝えしたいのは、世の中の木製テーブルは「ウレタン仕上げ」が多い、ということ。家具屋の店員さんから塗装について何も説明されなかった場合は、だいたいウレタン塗装だと思っていいくらい大多数を占めています。

家具屋さんのテイストにもよりますが、そもそも

当店ではオイル仕上げのテーブル自体の取り扱いがありません

ということもあります。テーブルといったらウレタンが基本でしょ、という先入観を持つ方もいらっしゃいます。近年ではオイル塗装を選ぶ個人ユーザーも増えてきたとはいえ「多数派はウレタン」ということをまずは冒頭で書いておきますね。

選び方の結論:20年以上使うかどうか?で決める

私が選ぶ結論は

「20年以上使うならオイル、20年未満ならウレタン」

と考えています。つまり、どのくらいの期間そのテーブルを使う(または使う可能性がある)のかを基準として、皆様へご案内しています。

しかし、これは私の基準です。生活スタイルや家族構成などによっても基準は異なります。「オイル」「ウレタン」どちらにも良いところがあります。詳しくご説明していきますね。

オイル仕上げ(オイル塗装)の特徴

オイル仕上げは簡単に言うと

天然木に油分(オイル)を染みこませた仕上げ

です。木材の質感をほとんど変えず、触り心地も木そのもの。木目が映える、北欧家具などにもよく使われる塗装です。

オイル仕上げのメリット

  • テーブルを長く(数十年以上)使うことができる
  • 木材の質感をそのまま楽しめる

テーブルを長く(数十年以上)使うことができる

冒頭でも書いていますが、第一優先が「テーブルを長く使いたい」であれば、オイル仕上げが断然おすすめです。

なぜ長く使えるのか、それは

自分で簡単にメンテナンスができる

という点です。

ウレタン塗装のテーブルは工場でしか再塗装ができないため、送料を含めると数万円の費用がかかります。オイル塗装の場合は市販のオイル(安いものだと1000円くらい)を塗りなおすだけなので、簡単にメンテナンスができるのが大きなメリットです。また、天板の傷も紙やすりで消してしまえるので、お手入れをすれば新品時と同じような状態にすることができます。

木材の質感をそのまま楽しめる

オイルのテーブルは木材そのものの質感を残した塗装のため、触れると木のぬくもりがあります。ウレタン塗装は表面に塗装の膜をつくるため木の質感が残らず、触り心地がまったく違います。ぜひ購入前に店頭で触り比べてみてください。

オイル仕上げのデメリット

  • オイル塗装は保護能力が低い
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 反りや割れが起こることがある

オイル塗装は保護能力が低い

大きなデメリットとしては、オイル塗装の保護能力が低いため使用時は気を使う必要があるという点です。例えばコースターを使わずにグラスを置くと、輪じみ(水滴の跡のしみ)になってしまいます。

日ごろの使い方を意識しなくてはならないため、小さいお子様がいる家庭では保護マットなどを使うほうがいいかもしれません。(保護マットを敷いてしまうとオイル塗装を選んだメリットが薄くなるのですが…)

定期的なメンテナンスが必要

メンテナンスができることは大きなメリットだとお伝えしましたが、逆に言うと

定期的にメンテナンスを続けなければならない

ということでもあります。おおよそ、1年に1回から2回はメンテナンスをするのがおすすめです。お手入れの内容によりますが、2時間程度の所要時間が必要です。ゴールデンウィークと年末の大掃除にそれぞれ手入れができればちょうど良いですね。

反りや割れが起こることがある

割合は非常に少ないものの、稀に反りや割れが発生することがあります。木は空気中の水分を吸放湿しています。その過程で湿度が高すぎる または乾燥が進みすぎる と、割れや反りの原因となってしまいます。

ウレタン塗装の特徴

ウレタン塗装のことを簡単に説明すると、

表面をプラスチックコーティングした仕上げ

です。木材の表面を樹脂の塗膜で埋め、汚れや水分などが入らないようにした仕上げです。オイルとは違い木材を呼吸させないように塗膜をつくるため、木材の雰囲気を楽しみつつラフに使えるのがウレタン塗装の魅力です。

ウレタン塗装のメリット

  • 耐久性がとても高い

耐久性がとても高い

ウレタン塗装の大きなメリットは

塗膜が強固で耐久性がとても高い

ということ。汚れも染み込まず薬品などにも強いため、気兼ねなく使うことができます。もちろん、割れや反りはほとんど起こりません。

そのためウレタン塗装が向いている環境は

  • 仕事で使う
  • 小さい子供がいる
  • カフェなどの施設で使う

といったケースです。業務用などの不特定多数の人が使う場所にも向いています。

ウレタン塗装のデメリット

  • メンテナンス費用が高額
  • 塗装の寿命は20年以下

メンテナンス費用が高額

ウレタン塗装仕上げはオイル塗装のテーブルとは逆に

自分でメンテナンスができない

というのがデメリットになります。メーカーによっては再塗装ができますが、ほとんどのメーカーでは工場での預かり対応となるため、送料も含めると数万円の費用がかかります。(地元の工房系家具屋さんで購入したのであれば安くすむこともあります)

塗装の寿命は20年以下

とても快適に使えるウレタン塗装ですが、テーブルをずっと使用していると塗膜が少しずつ薄くなっていきます。一般的には15〜20年程度で塗膜が剥がれ、下地が露出してしまいます。つまり、ウレタン塗装のテーブルを維持するためには20年おきに再塗装をしなくてはならず、その都度数万円の費用がかかるということです。

オイル塗装とウレタン塗装のまとめ

オイル塗装ウレタン塗装
質感
使い勝手
維持コスト
反り・割れなどのリスク

冒頭で私の出した結論は「20年以上使うならオイル、20年以下ならウレタン」でしたが、これは言い換えれば

20年間を毎日快適に使うならウレタン塗装
手入れは必要だけど一生ずっと使うならオイル塗装

ということです。私自身、家具のスタイリングをしていく中でたくさんのお客様とお話ししましたが、選ぶ基準は人それぞれでした。

終の棲家であれば、20代で一生モノのオイル仕上げを購入される方。子供が小さいため「この子が大きくなるまでは…」と快適なウレタン塗装を選ぶ方。これからの生活を考え、家具屋さんを数軒回ってじっくり選ぶのがおすすめです。

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この記事を書いた人

家具のコーディネートを中心としたインテリアコーディネーター・スタイリストをしています。ジャンル問わず家具やインテリアを好み、民芸品や器、デザイン家電や植物などにも興味があります。
だいたい家にいますが、たき火は好きです。夢は、庭の広い古民家を買って、本を読みながらたき火をして過ごすこと。旅行も好きですが半径5メートルで世界が完結すればそれでもまた良し。

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