ダイニング・リビング・和室でのペンダントライトの適正な高さは?

ペンダントライトの高さにはルールがあります。美観的なコーディネートも重要ですが、照明器具は実用的な選び方にも注意が必要です。この記事では

部屋ごとの「ペンダントライトを吊るす適正な高さを知りたい」

という方に特におすすめです。

目次

ダイニングテーブルのペンダントの高さ

ダイニングテーブルの上にペンダントライトを配置する場合、おすすめの高さは

テーブル上から60~65cm

です。これは、私のコーディネーターの経験から、よく施主様にご提案させていただく高さです。初めて見たお客様の印象では、やや低いように感じる高さかもしれません。

というのも、一般的にはテーブルトップより+70cm~80cm前後とされることが多く、売っているペンダント照明も70cm程度を基準にコードの長さが作られていることがほとんどです。

しかし、私が60~65cmをお勧めするのには3つの理由があります。

光源が目に入らないこと

これ、すごく重要です。照明のシェードの形によるものの、ペンダントライトを高く吊りすぎると、光源(電球などの発光部分)が直接目に入り、まぶしさを感じてしまうためです。

特に大きいものほど発光する部位が大きいため、よりまぶしさを感じやすいのです。

つまり、意外かもしれませんが

大きいシェードほど低めの位置で吊るのがおすすめ

なのです。ダイニングで過ごす際に照明がまぶしいと、家族や友人との団らんの妨げになってしまいます。

できれば家具屋さんやインテリアショップでは椅子に座って実物を確認し「座った時に光源は直接目に入らないか?」という部分についての検討をするのを強くおすすめします。

テーブルの上が薄暗くなる

ペンダントライトを上げれば上げるほど広いエリアを照らせますが、その分ボヤっとした薄暗い照らされ方になってしまいます。

シェードの素材にも影響されますが、ダイニング上のライトはダイニングルーム全体を照らすのではなく「ダイニングテーブルの上が照らせれば良し!」と考えて検討するのをおすすめします。

そのほか、ダイニングテーブルはさまざまに利用されることが多く

  • 食事をとるテーブルとして
  • 書き物をするデスクとして
  • 商談やコミュニケーションの場として

上記のように多岐に渡ります。

お食事をおいしそうに照らすだけではなくデスクの要素も備えているため、様々なケースに対応できる低めの設定がおすすめです。

ペンダントを大きく上げ過ぎてしまうと

「照明自体はまぶしいのに、テーブルの上は暗い」

と、照明の意味を考えさせるおかしな状況になってしまうため注意が必要です。

見た目が美しい

コーディネートの考え方としても、60~65cmの高さに吊るのをおすすめしています。ダイニングテーブルと照明の組み合わせを楽しむ場合、下げたほうがより一体感を楽しむことができます。

例えば、円のテーブルには丸いシェードの照明を合わせたい、と考えます。その際にはテーブル面にペンダントライトをより近づけることで、コーディネートとして計算された空間を演出できます。ダイニングテーブルがひとつの空間として際立ち、インテリアとしての見た目も美しいです。

日本でよく使われるシーリングライトはかなり明るく、天井面にありながら部屋全体をすみずみまで照らす性能の蛍光灯が使われていますが、これは天井にぴったりと張り付くことで照明のデザインがコーディネートに影響しない、という考え方もできますね。

【注意】下げることのデメリット

3つの利点を上げましたが、下げることのデメリットもあります。

鍋や焼き肉がしにくい

テーブルで鍋や焼き肉をする場合、油や汁飛びが心配です。急に生活感のある話になってしまいましたが、ホットプレートをよく使うご家庭であれば、これは無視できない問題です。

対策としては、コードを巻き取れるリールで一時的に巻き上げるのがおすすめです。または、コードハンガーを使って位置を調整できるようにしておくといいですね。

立ち上がる時に注意

照明があるのを忘れて勢いよく立ち上がると、シェードのサイズが大きめの場合は不注意でぶつかる可能性があります。ガラス製のシェードの場合は存在感が薄いため、特に注意する必要があります。

リビングルームのペンダントの高さ

リビングにペンダントライトを配置する場合、おすすめの高さは

床から180cm~190cmほどの位置に、照明の下端が来るくらい

が良いです。シェードの大きさによって調整する必要はありますが、背の高い男性が頭をぶつけない程度の高さ、と考えると目安になるのではないでしょうか。

ダイニングテーブルの上に吊る時より、リビングのほうが高い位置に吊るすことには理由があり、

  • テレビの視線をさえぎってしまう
  • 動線をふさぐことがある

ためです。

センターテーブルの上にペンダントが位置する場合は動線にはならないため、視線をさえぎらない程度に下げるのも良いですね。

こんなことを言ってしまっては元も子もありませんが、リビングルームではシーリングライト(天井に直付けする照明)やダウンライトを使うことが多く、ペンダントはあまり使われません。

しかし、リビングは効果的にペンダントライト使えば個性を演出できる空間でもあります。お気に入りのペンダント照明がある場合には、家の顔であるリビングでの使い方を考える、というのもすごく楽しいです。

和室でのペンダントライトの高さ

和室でのペンダントライトは、リビングと同様に

床から180cm~190cmほどの高さがおすすめ

です。和室はダイニングやリビングと違い、様々なことに使われます。

リビングのように団らんに使ったり、移動する際にペンダントライト下を通行することもあります。また、来客の宿泊の際に布団を敷く、などケースバイケースで用途が変わるため、天井に近い位置に吊るすのがおすすめです。

和室の照明を選ぶとき、この「和室は寝るときにも使う部屋という部分は重要で、照明のデザインに気を付ける必要があります。

光源が下から見える照明を選んでしまうと寝転んでいるときにまぶしいため、和紙を使ったぼんやり光るシェードや、プラスチックシェードを使ったなものなど、光源が直接見えない照明がおすすめです。和紙の柔らかな光は見た目だけでなく実用的にも理にかなったものなのです。

おすすめのペンダントライトの高さ・まとめ

ダイニングテーブルの上 

テーブル上から60~65cm
ただし、鍋やホットプレートには注意。

リビング

床から180~190cm
動線によってはもう少し下げてもOK。テレビを隠さないような高さに。

和室

床から180~190cm
ただし、光源が下から見えない形や素材のシェードを選ぶこと。

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この記事を書いた人

家具のコーディネートを中心としたインテリアコーディネーター・スタイリストをしています。ジャンル問わず家具やインテリアを好み、民芸品や器、デザイン家電や植物などにも興味があります。
だいたい家にいますが、たき火は好きです。夢は、庭の広い古民家を買って、本を読みながらたき火をして過ごすこと。旅行も好きですが半径5メートルで世界が完結すればそれでもまた良し。

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