スパイファミリーの表紙には超・名作椅子がたくさん使われています

巷で大人気のコミック、SPY×FAMILY(スパイファミリー・通称スパファミ)。このスパファミの単行本の表紙で使われているチェア、実は超名作揃いなのです。実は管理人自身も書店で3巻を見かけて、1巻からすべて購入しました。(3巻の椅子はすごく好きな椅子なんです)

今回の記事では、スパイファミリーの表紙の椅子が何なのか、気になっている方向けに記事を書いています。

椅子は興味ない、スパファミだけが好きなんだ!

という方もどうか読んでいってください…!

※【10月5日追記】

スパイファミリー10巻が10月4日に発売しましたが、表紙に椅子は使われていませんでした…。10巻以降も追っていきますが、椅子シリーズは終了した?のかもしれません。

目次

1巻の椅子:LC2 グランコンフォール

まずは、ロイドが座るこの椅子。

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーはスター級のデザイナー3名(ル・コルビュジェ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン)
  • メーカーはイタリアのCassina(カッシーナ)
  • 1928年発表
  • 価格は¥605,000~
  • 定番ではあるものの、とにかく名作中の名作
  • レプリカをつくっているメーカーが多いが、正規品はCassina(カッシーナ)製

1巻を飾ったのは、ル・コルビュジェのLC2グランコンフォールです。完全に名作です。3名のデザイナーが関わった椅子でですが、一人一人がスーパースター級のデザイナーです。

メインデザイナーのル・コルビュジエは、上野公園内にある「国立西洋美術館」を設計した建築家でもあり、家具の分野でもトップクラスに活躍したすごい人です。また、コルビュジェは建築学部の学生たちのテンションを上げがちな「家は住むための機械である」という名言を残しています。

cassinaでLC2グランコンフォール(正規品)を見る[画像はcassina公式サイトより引用させていただきました]

2巻の椅子:マシュマロソファ

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーはアメリカ人のジョージ・ネルソン
  • メーカーはアメリカの会社HermanMiller(ハーマンミラー)
  • 1956年発表
  • 価格は¥1,199,000
  • インテリアジャンル「ミッドセンチュリー」を代表する家具
  • YouTuberが使いそうな派手さ

1度見たら忘れられないマシュマロソファ。過去にはアパレルブランドのポールスミスの張地を張ったモデルもあり、とにかくアイコン的な存在です。

ミッドセンチュリーとは1900年代半ばのアメリカのインテリアのテイストですが、当時はこういったポップなデザインのものが好まれたようです。第二次世界大戦の終戦後、戦勝国アメリカの浮き足立った人々の心情を投影しているのかもしれませんね。


FLYMEeでマシュマロソファ(正規品)を見る

3巻の椅子:ラ・シェーズ

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーはイームズ夫妻。あの「イームズチェア」の生みの親
  • メーカーはスイスのvitra(ヴィトラ)
  • 1948年発表
  • 価格は¥1,161,600~
  • 実物は背もたれの一部に穴が開いている(ヨルさんで見えない…)
  • 見た目の軽やかさとは裏腹に、かなり重い

冒頭で書きましたが、管理人(私)がとても好きな椅子です。イームズチェアで有名なイームズ夫妻の作品ですが、実物を見ることがあまりない、レアな椅子です。

イームズ夫妻はたくさんの作品を残していますが、レイ・イームズ(奥さん)がいちばん愛したのはこのラ・シェーズだと言われています。イームズの全作品の中でも異質で、今見ても斬新な椅子ですね

実物はかなり重く、一度2階に上げる作業を手伝ったことがありますが、命の危険を感じる仕事でした。当然、椅子なので人体を支える構造でしっかりとしているのですが、それにしても重かった。

MAARKETでラシェーズ(正規品)を見る

4巻の椅子:ボールチェア

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーはエーロ・アール二オ
  • ブランドはフィンランドのADELTA(アデルタ)
  • 1963年発表
  • 価格は¥1,225,400~
  • 未来っぽいのにノスタルジーも感じる、なんだか不思議な椅子
  • アール二オはフィンランド人ですが、北欧っぽくないデザインのような気がする(個人的感想)

スペースエイジ、というインテリアジャンルを表す言葉があります。この椅子はまさに宇宙時代の訪れを感じさせるようなワクワクするデザインです。実物は本当にかわいいんです。

映画「2001年宇宙の旅」に登場していますが、本当に宇宙っぽいです。なお、このボールチェアもレプリカが非常に多い椅子です。正規品を販売しているメーカーはフィンランドのアデルタというメーカーですが、日本では取り扱いをしている店舗が非常に少ないので、正規品をお求めの場合はアデルタ製品かどうかをしっかりと確認してください。


5巻の椅子:バルセロナチェア

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーは世界三大建築家の1人、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
  • メーカーはアメリカのKnoll(ノル)社
  • 価格は¥1,067,000〜
  • 1929年発表
  • スペインの国王に座ってもらうためにデザインした、玉座

この椅子、1929年発表とかなり歴史のあるチェアですが、今でもぜんぜん古さを感じさせません。というのも、無駄な装飾が無いからなんですね。

デザイナーのミースは「Less is more(レスイズモア)」と言う言葉を残しています。少ないことは豊かなこと、というようなニュアンスです。今の言葉で言うと「ミニマリズム」と呼ぶ考え方ですね。現代では、無印良品やアップルがミニマリズムを体現したブランドでしょう。

デザインは最低限にするという発想、とても潔いですね。

MAARKETでバルセロナチェア(正規品)を見る
icon

6巻の椅子:ハートコーンチェア

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーはデンマーク人のヴァーナーパントン
  • メーカーはスイスのvitra(ヴィトラ)
  • 1950年代後半に発表(詳細不明)
  • 価格は¥436,700〜
  • ハートの形と脚部分のつながりがすごく美しい
  • 意外に(と言ったら失礼ですが)座り心地が良い

デザイナーはデンマーク人のヴァーナーパントンというデザイナーがデザインした、ポップで可愛いイスです。張地の種類はたくさんあるので、思い思いのカラーで作れます。北欧のデザイナーにしては珍しくポップな椅子ですね。

見た目の愛らしさも相まって、女性向けサロンなどに使われることが多い椅子です。デザイナーのパントンは生前「好きな色の椅子に座るとリラックスできるよね⤴︎」みたいなことを言っており、その意思を受け継いだメーカーはたくさんの色展開をしています。

MAARKETでハートコーンチェア(正規品)を見る
icon

7巻の椅子:ウィローチェア

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーは建築家でもある、チャールズ・レニー・マッキントッシュ
  • メーカーはイタリアのCassina(カッシーナ)社
  • 1904年発表
  • 価格は¥1,430,000〜
  • 間仕切りの代わりになる背もたれが斬新なデザイン

曲線を多用する文化の「アール・ヌーヴォー」というインテリア様式があるのですが、その影響を色濃く受けた椅子です。座面の下に収納があったり、目隠しとしても機能する背もたれを意識したようで、機能的な追求とデザイン的な美しさを両立した名作椅子です。

デザイナーのマッキントッシュは建築家でもあったのですが、この時代の家具は建築家がデザインすることが多かったのです。家をつくって、家に合った椅子もデザインするということですね。

cassinaでウィローチェア(正規品)を見る[画像はcassina公式サイトより引用させていただきました]

8巻の椅子:イームズ ラウンジチェア

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーは3巻表紙のラシェーズと同じくイームズ夫妻
  • メーカーはアメリカの会社HermanMiller(ハーマンミラー)
  • 1956年発表
  • 価格は¥807,400〜
  • 「使い込んだグローブのような座り心地」を目指した
  • 部屋が広ければ欲しい人が多数いると思われます

ラウンジチェアはイームズチェアと並ぶイームズの代表作です。おそらく、今回紹介する9冊のスパイファミリーの表紙の椅子9脚の中でも、一番売れていると思われます。(何となく、インテリア業界にいて感じます)

価格はけして安くありませんが「知名度」「品質」「所有感」などを総合すると、そこまで高すぎない椅子だと言えます。ただサイズが大きく、置くスペースがある家は少ないです。本革&木材は使い込むと変化をしていきますので、長く楽しむことができるのが魅力ですね。

FLYMEeでイームズラウンジチェア(正規品)を見る

9巻の椅子:ネルソン ココナッツチェア

この椅子を簡単に言うと
  • デザイナーはアメリカ人のジョージ・ネルソン
  • メーカーはアメリカの会社HermanMiller(ハーマンミラー)
  • 1955年発表
  • 価格は¥751,300 ~
  • ココナッツを割ったような見た目だから「ココナッツチェア」という安直なネーミング
  • 座るとなんか安心感に包まれます

ココナッツチェアは大味なデザインかと思いきや、なかなかに座り心地が良い椅子です。すっぽりと自分がはまるように座るので安心感もあります。

また、写真で見るとコンパクトな椅子に見えるかもしれませんが、実物を見ると意外に大きく(幅が約1メートル)インパクト大。アメリカ人デザイナーによる家具ですが、なに風とも言えないテイストです。しいて言えば、アフリカの部族系インテリアに通ずるような雰囲気があるような無いような…。

FLYMEeでネルソンココナッツチェア(正規品)を見る

まとめと正規品紹介の理由

今回の記事では、SPY×FAMILYコミック単行本の表紙で使われているチェアについて解説させていただきました。ここで記事は終わりにはせず、コミックの新刊が出るたび追記していこうと思います。

今回、私が紹介したチェア各種は、正規メーカー品のURLをご紹介をしています。デザイナーズチェアはレプリカやコピー品が多く、同じような商品がずらーっと並んでいるのに

「50万の椅子が5万円で売ってるけど、コレどういうこと??」

となりかねません。どちらを購入するかはケースバイケースだと思いますが、私が紹介させていただいたのは正規ライセンス品のみとしています。正規品を知りつつ、コピー品の購入をするのであればまったく問題ありませんが、私のお客様の中でも、正規品の存在を知らずにコピー品を買われてしまった方が多いからです。

これは価値観になってしまうかもしれませんが、正規品にしてもレプリカにしてもモノの価値や背景を知ってご購入いただければ私もすごくうれしいです。

情報は正規品をベースにしているため、すんごく高いです。価格は誤りではなく、正規ライセンスならではの品質や様々な事情により高額になっているということ、どうかご理解ください。

また、本記事は2022年8月現在の価格にて表記しています。タイミングによっては価格が変わっていることもありますので、参考程度に考えてください。

スパイファミリーが好きでこちらへ来られた方も、良かったらインテリアの奥深さを知ってくださいね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

家具のコーディネートを中心としたインテリアコーディネーター・スタイリストをしています。ジャンル問わず家具やインテリアを好み、民芸品や器、デザイン家電や植物などにも興味があります。
だいたい家にいますが、たき火は好きです。夢は、庭の広い古民家を買って、本を読みながらたき火をして過ごすこと。旅行も好きですが半径5メートルで世界が完結すればそれでもまた良し。

コメント

コメントする

目次