ニーチェアが欲しいけど、エックス(フラット脚)を買えばいいのか、それともロッキングにするべきか…どちらがいいか迷っていませんか?
ご存じニーチェアは日本が誇る名作家具。文句の付けようもない、インテリア界のマスターピースです。
私もニーチェアを所有して4年近く経ちますが、当時はかなり迷いました。購入したいとぼんやり
決めてから、実に1年くらい迷ったと思います。
結論から言うと、私が迷いに迷って購入したのは
ニーチェアエックス (フラット脚)
でした。まっすぐなタイプの脚ですね。
ニーチェアには大きく分けて「ニーチェアエックス(フラット脚)」「ニーチェアロッキング」の2種類があり、その用途はそれぞれ違います。
今回の記事では、私がなぜニーチェアエックス(フラット脚)を購入したのか、決め手になったのは何か?実際に使ってみて感じた、メリットやデメリットはどうだったのか、を正直に書いています。
どっちを購入すればいいか、迷っている方の参考になればいいなと思って書いた記事です。ロッキングモデルを検討されている方も、良かったらどうぞ最後まで読んでいただければ幸いです。
- 私はなぜ、ニーチェアエックスを選んだのか
- 何が購入の決め手になったのか
- ニーチェアエックスを実際に使ったメリット・デメリット
なお事前情報として、インテリアショップのスタッフさんを通してFUJIEI(メーカー)さんに「どちらが売れているか?」を聞いてもらったところ
わずかにロッキングが売れているが、ほぼ半々
との回答でした。つまり世の中ではエックスもロッキングもほぼ同じ人気ということです。
出典:FUJIEI STOREs
私はなぜ「ニーチェアエックス(フラット脚タイプ)」を選んだのか
冒頭でも書いていますが、私は迷いに迷って「ニーチェアエックス フラット脚」を購入しました。ロッキングではない、脚がフラットのタイプです。なぜ私がニーチェアエックスを購入したのか、理由は6つあります。
- 本を読む椅子が欲しかった
- オットマンとの組み合わせが最高
- 畳との相性バツグン
- ロッキング機能をあまり使わない
- 子供ともコミュニケーションがしやすい
- オリジナルデザインという尊さ
順に、詳しくご説明していきます。
理由① 本を読む椅子が欲しかった
「本を読む椅子が欲しい」…これは本好きが考えることの多いテーマではないでしょうか。
私も週に1~2冊ほど本を読むため、読書用の椅子をずっと探していました。様々な候補の中から、私が読書用の椅子としてニーチェアを選択したのは
いろいろなことに使えて、座り心地もいい、しかも折り畳み式
ということ。
ロッキングでゆらゆら揺れながら読書する、というのはどうにも性に合わずフラット脚を選択。
また、ゲームや映画鑑賞の際にも使えるなど、ひとつの椅子で多用途に使えるというのはかなり魅力でした。
ニーチェア以外にも読書用の椅子候補はありましたが、手軽さと価格のバランスが非常によく、現在の私の生活には合っていると感じました。
下記の記事では、私が読書用の椅子を選ぶ際に、ニーチェアを選んだ理由を詳しく書いていますので、読書好きの方は合わせてご覧になってください。

理由② フラット脚はオットマンとの組み合わせの相性が良すぎる
ニーチェアには別売オプションとしてオットマンがあります。私はオットマンも合わせて購入しましたが、オットマン+フラット脚タイプの組み合わせがとにかく最高なんです。
読書がとても進み、ゲームもいい感じ、映画を観ても快適。長時間座っていても疲れにくい組み合わせなのです。
はっきり言うと
30分以上座るのであれば、オットマンは必須
と断言してもいいくらい。
足を投げ出して座ることができるため太ももの裏が痛くならず、身体の一部分に負荷がかかりにくい。結果、長く座れるのです。
しかしこのオットマン、どうしてもロッキングのタイプとは相性が悪いと感じます。専用設計ではないため、ロッキングに合わせるとオットマンがやや低め。
映画をよく見る私は2時間座りっぱなしになることも多く、長時間座るにはどちらがいいのか、ということも考え、フラット脚のニーチェアを選びました。
実際、本を読んでも映画を観ても、オットマンがあると居心地がよく、ウトウトしてしまうこともあるくらい座り心地が良いです。
ニーチェアエックス(フラット脚)は
オットマンというパートナーがいて完成する
んです。
理由③ 畳で使うならフラット脚に限る
フラットタイプのニーチェアの脚はソリのような形状です。ソリ脚は古くからある国産家具に採用されることのある構造で、接地面が大きいため一か所に荷重がかかりにくく、畳の上で使用しても傷がつきにくいのが特長です。
ニーチェアはどこへでも気軽に運べるので、和室で使うことも想定しておきたかったのです。
もちろん、ロッキングを使ったからすぐに傷がつくというわけではないし、ラグやカーペットを敷けば傷は防ぐことができます。

しかし畳の上でロッキングを使用した場合は、床に座る人との目線が合わないのです。エックスとロッキングでは比べると座面の高さはかなり違うため、目線の高さもだいぶ違うんです。
ソファを使う洋室であれば良いのですが、和室でロッキングを使うと一人だけ目線が高くなっちゃうんです。ほかに人が床に座っているのに、自分だけ高い位置にいる…みたいな。(ひとり王様状態)
人数分ロッキングを用意したら良いかもしれませんが、それっていったい何の部屋だ?ってなりますし。

理由④ ロッキング機能をあまり使わない
そもそも私はロッキングをあまり使わないのでは?と感じました。
というのも、以前私はロッキングチェアに憧れがあり、イームズのロッキングチェアRAR(ハーマンミラー製)を2年ほど使用していました。
今考えれば、ロッキングチェアってなんかいいよね的な、完全なるファッション安楽椅子でした。
ロッキングチェアは実際に部屋に設置してみると、肝心のロッキング(ゆらゆら揺れる機能)をあまりしません。
私が車酔いしやすい体質で、ロッキングで揺れ続けると軽く酔ってしまうというのもあるかもしれませんが、本を読むにも映画を観るにもあまりロッキング機能を使うことはほとんどありませんでした。
しかも、ロッキングは揺れるためスペースを大きくとる必要があり、壁の近くにも置けません。あまり使い道がないまま、結果的にイームズのロッキングチェアを処分してしまった経験がありました。
店頭で座るとロッキング機能は魅力的に映るのですが、
家ではあまりロッキング機能を使わない
と、イームズチェアの教訓から学んでいました。
これがもし、ただ寛ぐための椅子であればロッキングと言う選択肢は充分考えられたのですが、私は明確な目的があったので、フラット脚に気持ちが傾きました。
理由⑤ フラット脚のほうが子供とコミュニケーションしやすい
和室の仕様でも触れましたが、ロッキングタイプの座面高は31cmでフラット脚タイプは25.5cm。5.5cmの差ですが、実際に座るとけっこう違います。
ロッキングタイプは椅子に座るのに近く、フラット脚のタイプは低めのソファや床に座るのに近い。これは、ただ高さが違うというだけではなく、家族とのコミュニケーションの取りやすさにも関わってきます。
その原因は
視線の高さ
です。
特に、小さな子供がいる場合は生活の高さが低い位置になりやすく、座面が低いタイプのほうがコミュニケーションがしやすいといえます。
私も家に友人などが集まることがあり、座面が低いというのも選ぶポイントでした。

理由⑥ オリジナルデザインだから
ちょっと誤解のある見出しかもしれません。どちらもオリジナルデザインであることは間違いありませんが、最初に発売されたのはフラット脚タイプです。(発売が1970年)
その後にロッキングタイプ(1972年)が発売になっています。ニーチェアは紛れもない名作椅子ですが、紹介されることが多いのは「ニーチェアエックス(フラット脚タイプ)」です。最初に出たモデルだからですね。
私はインテリア業界で働いていることもあり、家具が好きです。家具好きとして「あの名作」が欲しかった、んです。
これは機能的な選び方ではなく只のこだわりなので、ご参考程度に考えてくださいね。
実際に使ってみたニーチェア(フラット脚タイプ)のいいところ・悪いところ

管理人は実際にニーチェアを購入し、3年ほど使っています。そんな中で感じた良いところと悪いところを紹介していきます。
特にこれから購入を検討されている方は、悪いところをチェックしてみてください。
ニーチェア(フラット脚タイプ)の良いところ
軽くて折りたたみができる
何よりも、動かすのがすごく楽です。普段はしまっておいて、本を読むときや映画を観るときに出すのも苦ではありません。
数回外にも持ち出しました。レジャーシートを敷き、外で本を読んだりうたた寝したりしました。アウトドアチェアほどコンパクトにはなりませんが、キャンプの椅子よりも座り心地が良いのは嬉しいポイントです。
購入してから何度か引っ越しを経験しましたが、引っ越しギリギリまでニーチェアは家に置いておき、最後に自家用車で簡単に運べたのも嬉しい思い出です。
座っていても疲れにくい
やはりニーチェアフラット脚は座り心地もよく、映画などを観ていても疲れにくいです。
座面は帆布でできており、お尻や背中に当たる部分にはフレームがありません。いわゆる「底付き感」がなく、ハンモックっぽい座り心地とでもいいますか、長時間座っていても快適です。
ハイバックで頭まであるので、うたた寝もできるくらいの安心感もとても良いポイント。
所有感があり満足
やはり、デザインのパワーがあります。シンプルで無駄のないデザインなので、あるだけで絵になります。私はミニマリストほど徹底したモノ選びをしていませんが、モノを厳選するとしたらきっとニーチェアを選ぶと思います。
ミニマリスト界隈では「必要最低限のデザインの美しいものを置く」というこだわりを持つ方も多く、椅子のマスターピースとしてミニマリストがもつ唯一の椅子になれる傑作だと感じます。

ニーチェア(フラット脚タイプ)のイマイチなところ
立ち上がりにくい
ニーチェアエックス(フラット脚)の形状上、腰が深く落ち込むため、立ち上がりがしにくいです。アームに手をついて、ヨイショと立ち上がらなくてはなりません。立ち上がる時はロッキングタイプのほうがだいぶ楽です。
腰痛の方の場合は、近くに飲み物などを置いて、立ち上がる頻度を減らしたほうが良いかもしれません。
食事や書きものには向かない
後ろに大きく倒れるラウンジチェアのため、お食事をしたり書き物をしたりなどの作業に向きません。あくまで、リラックスするための椅子です。
膝の上にノートパソコンを載せて操作するくらいならできますが、使いやすいとは言えません。
映画を観る、本を読むなどの姿勢には向きますが、前かがみになるような作業系の姿勢には向きませんので注意が必要です。
スペースを取る
ニーチェアエックス(フラット脚)とオットマンの組み合わせは、場所を取ります。幅方向にではなく、奥行き方向に場所を取るため、テレビの前に置く場合は斜めに振ることになると思います。
単体で使う場合には問題はありませんが、L字の配置でレイアウトする場合はソファに干渉する可能性もありますので事前に置けるかどうかの確認が必要です。
でも、やっぱりニーチェアは名作

ニーチェアはカレーライスを目指して作られた椅子、と言われています。カレーライスのように皆から愛される椅子にしたい、との願いが込められています。
こういったストーリー性のある椅子が私は好きです。デザイナーズチェアという言葉はちょっとキザですが、デザイナーの想いが反映されている製品は本当に愛すべき商品ばかりです。
ニーチェアのデザイナーである、新居猛(にいたけし)はこんなことを言っています。
座り心地を落とさず、とにかく安く。道具のように役立ってこそ椅子
私はこの言葉に感銘を受けました。家具はどこまでいっても道具なんだ、と。
道具とは一般的に性能を優先するもの。しかし、最小限の構成で道具を作ったら美しいデザインになったことにとても魅力を感じました。
家具やプロダクト(工業製品)の名作とは、極限までシンプルなものが多いです。デザインには流行がありますが、道具には流行はありません。
人が座るという行動をやめない限り、ニーチェアは名作足り得るのです。
これからの時代は、厳選したものを少量だけ所有する時代になるでしょう。ぜひ、身近なものほど特にこだわってほしいと私は思います。

コメント
コメント一覧 (3件)
[…] ニーチェアの脚は「フラット」「ロッキング」のどっちにするか問題 […]
[…] ニーチェアの脚は「フラット」「ロッキング」のどっちにするか問題 日本が誇る名作家具、ニーチェア。 […]
[…] ニーチェアの脚は「フラット」「ロッキング」のどっちにするか問題 日本が誇る名作家具、ニーチェア。 […]