日本が誇る名作家具、ニーチェア。
ニーチェアが欲しいけど、エックス(フラット脚)を買えばいいのか、それともロッキングにすべきか…どちらがいいか迷っていませんか?
ニーチェアには大きく分けて「ニーチェアエックス」「ニーチェアロッキング」の2種類があり、その用途はそれぞれ違います。実は私(管理人)もどちらを購入するか、かなり迷いました。実に1年くらい迷ったと思います。
迷いに迷い、結果的に私が購入したのは
ニーチェアエックス (フラット脚)
でした。
この記事では、私がニーチェアエックスを購入した理由と購入の決め手、実際に使ってみてのメリットやデメリットを書いています。
どっちを購入すればいいか、迷っている方の参考になる記事になってほしいと思って書いた記事なので、どうぞ最後までお読みいただけますと幸いです。
- 私はなぜ、ニーチェアエックスを選んだのか
- 何が購入の決め手になったのか
- ニーチェアエックスを実際に使ったメリット・デメリット
ロッキングモデルを検討されてる方も、良かったらどうぞ最後までご覧になってみてください。
なお事前情報として、インテリアショップの方を通してFUJIEI(メーカー)さんに「どちらが売れているか?」を聞いてもらったところ
わずかにロッキングが売れているが、ほぼ半々
との回答でした。つまり、世の中ではほぼ同じ人気ということです。
※ニーチェアには「ニーチェアエックス」「ニーチェアエックス ロッキングタイプ」の2種類がありますが、分かりやすくするため、この記事では、通常のニーチェアを「フラット脚タイプ」と表現しています。
出典:FUJIEI STOREs
私はなぜ「ニーチェアエックス(フラット脚タイプ)」を選んだのか
冒頭でも書いていますが、私は迷いに迷って「ニーチェアエックス フラット脚」を購入しました。ロッキングではない、脚がフラットのタイプです。なぜ私がニーチェアエックスを購入したのか、理由は6つあります。
- 本を読む椅子が欲しかった
- オットマンとの組み合わせが最高
- 畳との相性バツグン
- コミュニケーションがしやすい
- ロッキング機能をあまり使わない
- オリジナルデザインという尊さ
順に、詳しくご説明していきます。
本を読む椅子が欲しかった
「本を読む椅子が欲しい」…これは本好きが考えることの多いテーマではないでしょうか。
私も週に1~2冊ほど本を読むため、読書用の椅子をずっと探していました。
様々な候補の中から、私が読書用の椅子としてニーチェアを選択したのは
いろいろなことに使えて、座り心地もいい、しかも折り畳み式
ということ。
ロッキングでゆらゆら揺れながら読書する、というのはどうにも性に合わず、フラット脚を選択。
また、ゲームや映画鑑賞の際にも使えるなど、ひとつの椅子で多用途に使えるというのはかなり魅力でした。
ニーチェア以外にも読書用の椅子候補はありましたが、手軽さと価格のバランスが非常によく、現在の私の生活には合っていると感じました。
下記の記事では、私が読書用の椅子を選ぶ際に、ニーチェアを選んだ理由を詳しく書いていますので、読書好きの方は合わせてご覧になってください。
オットマンとの組み合わせの相性がすごく良い
ニーチェアには別売オプションとしてオットマンがあります。私はオットマンを合わせて購入しましたが、
この
オットマン + フラット脚タイプ の組み合わせが最高
なんです。
この組み合わせは、読書がはかどります。ゲームもいい感じだし、映画を観ても快適。
足を投げ出して座ることができるので、太ももの裏が痛くなったりすることがありません。長く座るのであれば、オットマンは必須です。
しかしこのオットマン、どうしてもロッキングのタイプとは相性が悪いのです。専用設計ではないため、ロッキングに合わせるとオットマンがやや低めなのです。
映画をよく見る私は2時間座りっぱなしになることも多く、長時間座るにはどちらがいいのか、ということも考え、フラット脚のニーチェアを選びました。
実際、本を読んでも映画を観ても、オットマンがあると居心地がよく、ウトウトしてしまうこともあるくらい座り心地が良いです。
ニーチェアエックス(フラット脚)は
オットマンというパートナーがいて完成する
んです。
畳で使うならフラット脚 一択
フラットタイプのニーチェアの脚はソリのような形状です。ソリ脚は古くからある国産家具に採用されることのある構造で、接地面が大きいため一か所に荷重がかかりにくく、畳の上で使用しても傷がつきにくいのが特長です。
ニーチェアはどこへでも気軽に運べるので、和室で使うことも想定しておきたかったのです。
もちろん、ロッキングを使ったからすぐに傷がつくというわけではないし、ラグやカーペットを敷けば傷は防ぐことができます。
しかし、畳の上でロッキングを使用した場合は
床に座る人との目線が合わない
のです。(ひとり王様状態)
ソファを使う洋室であれば良いのですが、和室でロッキングを使うと一人だけ目線が高くなっちゃうんです。
人数分ロッキングを用意したら良いかもしれませんが、それっていったい何の部屋だ?ってなりますし。
ロッキング機能をあまり使わない
そもそも私は、ロッキングをあまり使わないのでは、と感じました。
というのも、以前私はロッキングチェアにあこがれており、イームズのロッキングチェアRAR(ハーマンミラー製)を2年ほど使用していました。
しかし、実際に部屋に設置してみると、ロッキング(ゆらゆら揺れる機能)をあまりしません。
私が車酔いしやすい体質で、ロッキングで揺れ続けると寄ってしまうのもあるかもしれませんが、本を読むにも映画を観るにもあまりロッキング機能を使うことはほとんどありませんでした。
しかも、ロッキングは揺れるためスペースを大きくとる必要があり、壁の近くにも置けません。あまり使い道がないまま、結果的にイームズのロッキングチェアを処分してしまった経験がありました。
店頭で座るとロッキング機能は魅力的に映るのですが、
家ではあまりロッキング機能を使わない
と、イームズチェアの教訓から学んでいました。
広いスペースがあって、フラット脚もロッキングも両方置くことができるなら良いのですが、片方しか置けないため、私はフラット脚を選びました。
コミュニケーションがしやすい
ロッキングタイプの座面高は43cm。フラット脚タイプは35cm。8cmくらいの差ですが、実際に座るとけっこう違います。
ロッキングタイプは椅子に座るのに近く、フラット脚のタイプは低めのソファや床に座るのに近い。これは、ただ高さが違うというだけではなく、家族とのコミュニケーションの取りやすさにも関わってきます。
その原因は
視線の高さ
です。
特に、小さな子供がいる場合は生活の高さが低い位置になりやすく、座面が低いタイプのほうがコミュニケーションがしやすいといえます。
私も家に友人などが集まることがあり、座面が低いというのも選ぶポイントでした。
オリジナルデザインだから
ちょっと誤解のある見出しかもしれません。どちらもオリジナルデザインであることは間違いありませんが、最初に発売されたのはフラット脚タイプです。(発売が1970年)
その後にロッキングタイプ(1972年)が発売になっています。ニーチェアは紛れもない名作椅子ですが、紹介されることが多いのは「ニーチェアエックス(フラット脚タイプ)」です。最初に出たモデルだからですね。
私はインテリア業界で働いていることもあり、家具が好きです。家具好きとして「あの名作」が欲しかった、んです。
これは機能的な選び方ではなく只のこだわりなので、ご参考程度に考えてくださいね。
実際に使ってみたニーチェア(フラット脚タイプ)のいいところ・悪いところ
管理人は実際にニーチェアを購入し、3年ほど使っています。そんな中で感じた良いところと悪いところを紹介していきます。
特にこれから購入を検討されている方は、悪いところをチェックしてみてください。
ニーチェア(フラット脚タイプ)の良いところ
軽くて折りたたみができる
何よりも、動かすのがすごく楽です。普段はしまっておいて、本を読むときや映画を観るときに出すのも苦ではありません。
また、数回外にも持ち出しました。レジャーシートを敷き、外で本を読んだりうたた寝したりしました。
さすがにアウトドアチェアほどコンパクトにはなりませんが、キャンプの椅子よりも座り心地はいいので、すごく重宝しました。
3年間の間に引っ越しを経験しましたが、引っ越しギリギリまでニーチェアは家に置いておき、最後に自家用車で簡単に運べたのも良かったです。
座っていても疲れにくい
やはりニーチェアフラット脚は座り心地もよく、長時間座って映画などを観ていても疲れにくいです。
座面は帆布でできており、お尻や背中に当たる部分にはフレームがありません。いわゆる「底付き感」がなく、ハンモックっぽい座り心地とでもいいますか、長時間座っていても快適です。
所有感があり満足
やはり、デザインのパワーがあります。シンプルで無駄のないデザインなので、あるだけで絵になります。私はミニマリストほど徹底したモノ選びをしていませんが、モノを厳選するとしたらきっとニーチェアを選ぶと思います。
ミニマリストにとっては「必要最低限のデザインの美しいものを置く」というこだわりを持つ方も多く、椅子のマスターピースとして日本の誇るニーチェアは、ミニマリストがもつ唯一の椅子になれる傑作だと感じます。
ニーチェア(フラット脚タイプ)のイマイチなところ
立ち上がりにくい
ニーチェアエックス(フラット脚)の形状上、腰が深く落ち込むため、立ち上がりがしにくいです。アームに手をついて、ヨイショと立ち上がらなくてはなりません。立ち上がる時はロッキングタイプのほうがだいぶ楽です。
腰痛の方の場合は、近くに飲み物などを置いて、立ち上がる頻度を減らしたほうが良いかもしれませんね。
食事や書きものには向かない
後ろに大きく倒れるラウンジチェアのため、お食事をしたり書き物をしたりなどの作業に向きません。あくまで、リラックスするための椅子です。膝の上にノートパソコンを載せて操作するくらいならできますが、使いやすいとは言えません。
映画を観る、本を読むなどの姿勢には向きますが、前かがみになるような作業系の姿勢には向きませんので注意が必要です。
スペースを取る
ニーチェアエックス(フラット脚)とオットマンの組み合わせは、場所を取ります。幅方向にではなく、奥行き方向に場所を取るため、テレビの前に置く場合は斜めに振ることになると思います。
単体で使う場合には何も問題はありませんが、L字の配置でレイアウトする場合はソファに干渉する可能性もありますのでご注意ください。
でも、やっぱりニーチェアは名作
ニーチェアはカレーライスを目指して作られた椅子、と言われています。
それはつまりカレーライスのように、皆から愛される椅子にしたい、と。こういうストーリー性のある椅子が私は好きです。デザイナーズチェアという言葉はキザですが、デザイナーの想いが反映されている製品は本当に愛すべき商品ばかりです。
ニーチェアのデザイナーである、新居猛(にいたけし)はこんなことを言っています。
座り心地を落とさず、とにかく安く。道具のように役立ってこそ椅子
私はこの言葉にやられました。
家具はどこまでいっても道具なんだ、と。
道具とは一般的に性能を優先するものです。しかし、最小限の構成で道具を作ったら美しいデザインになったことにとても魅力を感じました。
家具やプロダクト(工業製品)の名作とは、極限までシンプルなものが多いです。デザインには流行がありますが、道具には流行はありません。
人が座るという行動をやめない限り、ニーチェアは名作足り得るのです。
これからの時代は、厳選したものを少量だけ所有する時代になるでしょう。ぜひ、身近なものほど特にこだわってほしいと私は思います。
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