突然ですが、読書家の皆様は
いろいろなところで本を読んでみたい
と、考えることはないでしょうか。
いつもの部屋ではない場所でこそ、読書体験は特別になる、と私は思います。
テラスでも、庭でも、アウトドアやキャンプでも、忘れられない本と出会えるチャンスです。そこで私は持ち運びに便利な、折りたたみの椅子をオススメします。
いつかどこかで、椅子とともに読書の旅をしていただけましたら、私もとても嬉しく思います。
- 持ち運びに便利な折りたたみの読書椅子・5選
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持ち運びに便利な折りたたみの読書椅子・7選

早速ですが、折りたたみができるデザインのいい読書椅子をご紹介していきます。
最初にお伝えしたいことは、
折りたたみのチェアはデザインが美しいものが多い
こと。
それは、折りたたむために工夫された構造をしているから。
椅子の本質は「座れる」こと。そして折り畳み椅子の本質は「折りたためるし、座れる」こと。制約があればあるほど、デザインはより美しく、よりシャープになっていくと私は思います。
前置きが長くなりましたが、7種類の椅子を紹介していきますね。
ニーチェアエックス
ニーチェアは、50年以上前にデザインされたメイドインジャパンの名作椅子。ハンモックのような座り心地は読書をするのにも最適で、デザインもシンプルで美しい。
また、メンテナンス性も高く「布だけ」「アームの木だけ」「ネジだけ」といった、パーツ単位での購入ができるため、長く使えます。
ニーチェアにはエックス(フラットな脚のタイプ)もロッキングタイプもありますので、ウッドデッキならロッキングも良いですね。
高次元でバランスよくまとまった機能は、私の考える読書用の折りたたみ椅子第1候補です。迷うならこのニーチェアエックスが本当にオススメ。
キャンプやアウトドアにもって行っても大活躍ですが、折りたたんでもやや大きくかさばるので車での旅行に限定される点は要注意です。
ニーチェアは家でも快適に使えますし、テラスや縁側に出しても重宝すること間違いなしです。私も買いました。けして後悔はさせません。

プリアチェア ラタン

プリアチェアはイタリアのデザイナー、ピレッティがデザインした折りたたみ椅子。細く美しいフレームは存在感が少なく、畳むと5センチの隙間に収納ができます。
いわゆる「パイプ椅子」の原型になったのがこのプリアチェア。折りたたみチェアのお手本のような椅子です。
プリアチェアは色々な仕様がありますが、私がおすすめするのが「クローム×ラタン」のモデル。座面が籐編みのためしなるような座り心地が快適です。
直線的でモダンなフレームと自然素材の籐をあわせたデザインは他に類を見ず、一生モノの折りたたみ椅子になることは間違いありません。
値段が高めなのがネックですが、極限までデザインが削ぎ落とされたプリアチェアはシンプルの中のシンプルを突き詰めた間違いなく名作。価値が下がることはないと思います。
涼しい夜にウッドデッキで読書するのに使いたい。
コールマン インフィニティチェア
コールマンのインフィニティチェアは快適に眠れる椅子。寝れるくらい快適、と言うよりも本当にふつうに寝られます。そのぐらい快適。
機能として考えると、今回紹介する椅子の中でもナンバー1の利便性だと思います。
メリットを挙げると
- メッシュ状の座面は通気性が良く、蒸れにくく疲れにくい
- リクライニングができるので、座る~寝るまで好きな姿勢が取れる
- ハンドルがあり、折りたたんだ時にも運びやすい
- 価格がかなり安い
価格が安いので屋外でもラフに使えますし、寝転がって読書したりするのにもイイ。これも私は買いました。
デザインが良いか、と言われればデザイナーズチェアには劣りますが、折りたたみ特有のギミックがカッコいい。
私はAmazon限定色の黄色を買いましたが、黒が良かったかもとたまに考えます。でも寝心地はほんとに快適。
グリーンホルト ハンティングチェア
ハンティングチェアは、いわゆる狩りに使う椅子。簡易的に座れてすぐに折りたたみできる構造になっているため、ちょっとした休憩に便利な椅子です。
何と言っても手軽さが便利。折りたたんで家のどこかに吊るしておいたり、車の中に投げ込んでおいても便利に使えるのが魅力です。
しかし、背もたれがなく座り心地がすごく良いわけではないので、長時間座るときには木や壁に寄りかかったりして使うのもオススメ。
3本脚のチェアなので不安定な地面でも使え、汎用性は抜群です。
ミニマリストだったらこのハンティングチェアを選ぶのだろうか、そして書籍は持たずにkindleなどの電子書籍を読むのだろうか…などと考えてしまう椅子ですね。
カーミットチェア
アウトドア好きなら誰もが知っている、カーミットチェア。
アメリカのテネシー州で、今でも一点一点ハンドメイドで作られています。価格はやや高めなのですが、こだわって製作されている名作チェアですね。
事実、このカーミットチェアのデザインをアレンジしたチェアは数多く、そのオリジナルがこの椅子なんです。
1,000デニールのかなり強いナイロン生地を使用しており、生地はほつれが起こらないよう熱切断をしているという徹底ぶり。
座面の高さは32cmとやや低めなので、たき火をしながら読書なんてのも良いんです。これはロータイプのアウトドアチェアの終着点と呼べる椅子なのではないでしょうか。
ウッドデッキで読書を予定しているのならば、カーミットチェアを推します。オリジナルは良き。
(※正確には折りたたみではなく組み立て式なのですが、コンパクトに収納できるので選出しています)
onway (オンウェー) コンフォートチェア2
オンウェーは、東京のアウトドアファニチャーのブランド。海外のメーカーに押されがちですが、国内では貴重な「素晴らしモノづくり」をするアウトドアメーカー。
中でもおススメするのが、コンフォートチェア2。まず、デザインが美しい。折りたたみ椅子とはかくあるべき、という構造が良い。事実、このチェアの前身モデルはグッドデザイン賞も受賞しています。
最初に紹介したニーチェアと同様に、「張地だけあとから購入できる」というのもポイント。フレームは耐久性が高いので、かなり長く使えます。
さらに、用途に合わせて別売りのクッションを追加できます。
私が持っているニーチェアで軽い不満なのが「秋冬には寒い」こと。クッションを追加すれば暖かく、座りごこちもアップします。特に、2時間くらい本を読む際にはクッションがあったほうが良いですね。
インテリアとして室内で使っても遜色ないデザインで、座り心地も良し。もっと有名になっても良いのにな、と思う名作ですね。
MAGIS(マジス) AVIVAチェア
最後に紹介するのが、イタリアMAGIS社のAVIVAチェア。マルク・ベルチェというかなり古参のフランス人デザイナーの作品です。
ビーチ材を使った折りたたみの椅子ですが、最小限でミニマムなデザインのため5cmのすきまに収納できるコンパクトさが特長。
かと言って座り心地が悪いのかと言えばそういうこともなく、背もたれと座面に丸い掘り込みがあるため身体がフィットするように、なっています。
座り心地で言うと張物(座面が布地のタイプ)には劣りますが、背に寄りかかって読書するのであれば快適にお使いいただくことができます。
私自身も本が好きですが、このAVIVAを使うとしたら書庫や書斎に置きます。本棚の脇のスペースに立てかけておいて、どの本を読むか選ぶときに使う。
本棚から本を取って座ってちょっと読んでみて、この本をじっくり読みたいってなったら別な場所に移動して、別なチェアで読む。かな、と思います。
壁に立てかけて、アーティスティックに演出しつつ実用的にも使える。道具として、インテリアとしてちょうど良い塩梅なんですよ、この椅子。
【まとめ】 読書椅子こそ折りたたみチェアを

これまで7つの折りたたみチェアを紹介してきました。インテリアコーディネーターの立場として、紹介したどれもが良い椅子だと自負しています。
座り心地も重要ですが、いちばん大切なことは読書の時間を楽しむこと。そのシチュエーションのなかで、どれだけテンションが上がるか。それが重要だと思うのです。
冒頭でも書きましたが、私は
いつもの部屋ではない場所でこそ、読書体験は特別になる
と考えます。
それは例えば、自宅の庭でもベランダでも良いのです。無音ではなく、風の音や自然の音、街の喧騒の中でも。いつもと違う場所で本を開くことが重要なのです。
折りたたみの椅子はその体験を特別なものにする重要なアイテム。ぜひ、持ち運びのできる椅子をひとつ持ってみてください。
椅子とともに旅をし、本を読む。
これはとても贅沢で豊かな過ごし方だと思います。
【おまけ】私の体験した特別な読書体験

完全に余談ですが、私がいろいろな場所で読書をするようになったのにはきっかけがあります。
あるとき、私は仕事で初めて海外旅行に行くことになりました。当時の私は海外もろくにいったことがないのに、1週間以上の研修旅行に。
旅行は単独行動が多めの行程で、「暇なときにでも読もうかな」と、沢木幸太郎の『深夜特急』をカバンに忍ばせ、夜になる度に海外のホテルで一人読書に耽っていました。
暇そうだから、という動機で持参した本でしたが、言葉の通じない異国で読書する体験は刺激的で、
本の物語を自分自身が追体験している
という臨場感がすごかったのを覚えています。
深夜特急をこのタイミングで読むことができたのは、この上ない幸せではなかったか、と今では思います。それだけ特別な経験でした。
うまく言葉にできないのですが、日常から切り離された環境は感覚を鋭敏にし、見るものや感じるものの濃度を挙げてしまう。そんな風に思うのです…。(キャンプ飯がうまい、的な)
こんな時にこんな本が読みたい

ここからは、私の考える憧れの読書シチュエーションです。自己満足系の内容になってしまったので、気になる方のみ読み進めていただければ幸いです…。
- 東北の冬・雪の降る旅館で読む、川端康成の『雪国 (角川文庫)
』
- 寝台車のベッドで読む、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜 (角川文庫)
』
- 満月の夜にテントの中で読む、ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王
』
- 離島のホテルで読む、綾辻行人の『十角館の殺人
』
- 屋久島旅行の宿で読む、恩田陸の『黒と茶の幻想
』
どうでしょうか。読書好きの方は、「わかる!」と思っていただけるのではないでしょうか。
ぜひこの記事が、みなさまのインテリアライフ&読書ライフを楽しめるきっかけになれば嬉しく思います。

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