本好きインテリアスタイリストが選ぶ「読書用の椅子・9選」

読書好きのみなさま、一度は考えたことはないでしょうか?

読書をするための椅子が欲しい

と。

管理人自身も読書が好きで、週に1〜2冊程度の本を読みますが、常々「読書するための良い椅子が欲しい」と考えていました。

しかしインテリア好きの私としては、座れればいいというわけではありません。リビングで本を読みたいので、デザインがいいものが欲しい。

今後住まいを変える可能性もあるため、いろいろなことに使うことを想定したい。

などなど、さまざまな要素の中で、私は下記の3つの条件を前提としました。

読書用の椅子に求める3つの要素
  1. 選ぶ椅子は1人用のラウンジチェアやイージーチェアであること
  2. 読書やゲーム、テレビ視聴に向いている椅子であること
  3. デザインが良くリビングに置いても使える椅子であること

1人掛けを選んだのは、読書するにあたっての最小限のミニマルさを追求した結果です。

読書だけではなく同じ姿勢で長時間過ごすことが多い、ゲームやテレビ視聴も兼ねることができればいいと考えました。

デザインに関しても、座れればいいというだけでなく、来客に見られてもいいデザインの良さを重視しました。

この3つの要素を考えつつ、9脚の名作チェアを厳選しました。

目次

ニーチェアエックス

ニーチェアは日本が誇る名作チェア。デザインも生産も日本にて行われている、高品質の折り畳みチェアです。

デザインは1970年のものなので50年以上前にデザインされたチェアですが、現代の生活にもマッチするロングライフデザインです。

ロングライフデザインの魅力は何といってもその普遍性50年前からあって、今も存在している。これは一時の流行ではなく、長い時間人々に支持されていることを示しています。

派手さはないけれど、変わらずにずっと使っていける安心感があります。

また、折り畳みということもすごく良い。普段しまっておいて、読書するときだけ出してもいいんです。

天気が良ければテラスやベランダに出して読書を楽しむのもいいでしょう。

「どこで本を読むか」というのも重要

なのだと、読書家の皆様は知っているはず。

ニーチェアエックスのおすすめポイント
  • ハンモックのような快適な座り心地
  • 折りたたんでしまうことができる上、軽くて持ち運びも簡単
  • 傷んでしまっても、張地だけの購入ができる
  • 和室でも使える、フラットな形状の脚

天童木工 ヘロン ロッキングチェア S-5226

日本でもトップクラスの木工技術を持つ天童木工。将棋の駒で有名な山形県天童市にてモノづくりを続けています。

2016年のリオオリンピックの卓球台や、レクサスとコラボレーションしたスツールを作成するなど活動は多岐に渡ります。

この天童木工の傑作チェアが、このヘロン。

ヘロンとは白鷺(しらさぎ)という意味。1966年にデザインされ、今でも販売が続いています。何といっても、脚のデザインが素晴らしい。

1本脚で立つサギのようだという理由からヘロンというネーミングがされました。この脚でこの強度、本当に美しい…!

このチェアを使っているユーザーさんからお話を伺ったことがありますが

ついつい、うたた寝をしてしまうくらい座り心地がいい

と話していたのが印象深いです。

ヘロンロッキングチェアのおすすめポイント
  • 脚の美しいデザイン
  • 背もたれが高く、うたた寝できるような座り心地
  • 国内のメーカーでアフターサービスの安心感

IKEA  POÄNG(ポエング)

IKEAに行ったら必ず目立つ場所にある、ポエング。見たことがある方も多いのではないでしょうか?実はこのポエング、日本人である中村昇さんという方がデザインしました。(中村さんは、IKEA初の日本人デザイナーです)

40年以上前にスウェーデンでデザインされましたが、日本でもかなり売れている椅子です。魅力はそのコストパフォーマンス。

この価格でこの品質とデザインは本当にすごい。国内のメーカーでは絶対に作れないコスパです。

余談ですが、国内でもファストインテリアブランドは多いですが、私はIKEAが好きです。

「安かろう、悪かろう」という意見もありますが、デザインは他のブランドと比べても格段に良いです。

IKEA ポエングのおすすめポイント
  • 価格が手頃で、コストパフォーマンス最高
  • 北欧のインテリアにも合わせやすい細身のデザイン
  • 木材の「しなり」による快適な座り心地

天童木工 ハイバックチェア M-0562

スウェーデン政府から「プロフェッサー」という称号を与えられたデザイナー、ブルーノ・マットソン。

彼が天童木工とコラボレーションして作ったのがこのハイバックチェア。

先に紹介した同じく天童木工のヘロンチェアと比べ、重厚でクラシカル。脚の形状は日本の家具っぽいのに、張地の雰囲気はヨーロッパのような重厚感がある。いい意味でのミスマッチ感がある魅力が素敵です。

リビングにこの椅子が1脚あるだけで、もう家具は十分かもしれません。洋室に置いても良いですが、和室では特に映えるイージーチェアです。

また、座り心地がとても良いです。私見ですが今回紹介する9脚のチェアの中で一番快適でした。ややサイズ感が大きいのですが、スペースがあるのであれば本当におすすめのチェアです。

天童木工 ハイバックチェアM-0562のおすすめポイント
  • ヘッドレストが付きで快適性が高い
  • 床摺りの形状は和室でも使える
  • ボタン留めのクラシカルなデザイン

リーンロゼ カラン

フランスのブランド、リーンロゼ。カランは1994年から販売されているロングセラーのチェアです。ひじ掛けがありませんが、足を崩して座ることができるため快適に過ごすことができます。

細い脚とふっくら座面という組み合わせは、デザインも座り心地も両立した素晴らしいバランスのグッドデザインです。

脚の種類には金属と木製とがありますが、座面のふっくら感と対比するような細い金属脚のタイプがおすすめです。

また、カランにはリクライニング機能が付いているため、思い思いの姿勢で過ごすことができます。様々なメーカーから、このカランに似たデザインが発売されていますが、このデザインがオリジナルです。

リーンロゼ カランのおすすめポイント
  • 細脚の形状のモダンデザイン
  • リクライニング機能付きで、好きな姿勢で過ごせる
  • カバーリング(カバーが外せる)タイプもあり

カール・ハンセン&サン キューバチェア MG501

Yチェア(CH24)で有名なデンマークのブランド、カール・ハンセン&サン社から販売されているキューバチェアは、折り畳みが可能なチェアです。

折りたたんだ状態で壁に立てかけておくこともできるので、省スペースに保管できます。

折りたたみチェアの完成系と言ってもいい綺麗なデザインは、横から見ても後ろから見ても美しい。座面はYチェアと同様のつくりであるペーパーコード(紙製)で、ちょうどいい弾力の座り心地です。

一番目に紹介したニーチェアよりはやや重量が重いですが、持ち運びも十分可能です。また、背もたれは少し固めですが、読書をするにはちょうどいい具合です。

本を読むにあたっては、座面が柔らかすぎるよりも適度な弾力があったほうが良いのではないか、と私は考えます。

カール・ハンセン&サン キューバチェア MG501のおすすめポイント
  • ペーパーコードの座り心地が気持ち良い
  • 折りたたんで仕舞っておくこともできる
  • 固めの背もたれは読書に向いている

CUERO BKFチェア

BKFチェアはその形状から「バタフライチェア」とも呼ばれ、一見するとアウトドアで使う椅子のような雰囲気ですが、折り畳みはできません。(分解はできます)

このバタフライチェアは様々なメーカーから発表されていますが、その中でもCUERO社の商品は本革を採用しており、高級感があります

そしてこのBKFチェア、スタイリングがとてもしやすいんです。このまま使っても「シンプル」「モダン」「イタリアモダン」「ヴィンテージ」と様々なインテリアに合うのに加えて、「シープスキンをプラスしてラグジュアリーに」「民族柄のファブリックを追加してエスニックインテリアに」などなど、アレンジが多彩なのです。

サイズは大きめですが、細い金属フレームにハンモック状に革をかぶせたデザインのため、足元が浮いています。そのため実際に部屋に置くと、思ったより印象の重さは感じられません。

CUERO BKFチェアのおすすめポイント
  • 高級感があり、インテリアの中心になる名作
  • アレンジ次第でどんな部屋にでも合わせられる
  • 一生ものとして使える耐久性
  • 本革の経年変化が楽しめる

ハーマンミラー イームズ LAR

インテリア好きは必ず聞いたことのある、イームズのデザイン。このLARはイームズチェアの中で唯一、座面が低めでリビングで使えるモデルです。

これもインテリアデザイン界の名作ですね。

座面の高さが低め(31.5cm)なため、足をしっかりと地面につけて座れます。小柄な女性や子供でも座りやすいため、使う人を選びません。

また、前脚よりも後ろ脚のデザインが少し短く、後ろに傾斜するような座面になっているので、座った時のホールド感がちょうどよく落ち着く座り心地です。

ハーマンミラー イームズLARのおすすめポイント
  • ポップデザインが部屋のポイントになる
  • カラーリングが豊富なため、部屋のイメージに合わせやすい
  • プラスチック(PP、FRP)の座面は手入れがかなり楽

アカプルコチェア

アカプルコチェアは、スチールのフレームにビニールコードを巻き付けて製作されています。もともとは、メキシコのリゾート地で使われていたチェアをベースにリデザインをしたチェアです。

デザインのルーツがリゾート地のため、プールでも使えるほど対候性があるのが特長。外に置きっぱなしにしてもいいですし、ちょうどいい陽気の季節にはベランダやテラスに出して、外で読書をするのもいいですね。

デザインはカジュアルなので、高級感を出したい場合にはシープスキンなどの毛皮系を置くと締まります。

また、いい意味でカジュアルなデザインなので、モノトーンの部屋や、金属&革など締めすぎた部屋のハズシとしてテクニック的に使っても面白い演出ができますね。

アカプルコチェアのおすすめポイント
  • 屋外や水場でも使える対候性の高さ
  • リゾート感のあるカジュアルデザインが、インテリアのポイントになる
  • モダン部屋のデザインハズしにも使える

まとめ・管理人が買ったもの

今回は「読書に合うチェア9選」について解説しました。読書家にとっては、本を読むことに特化した椅子はいつかほしいアイテムたちでもあります。特に意識したわけではありませんが、名作揃いのラインナップになってしまいました。

実は私は、この9選の中で候補のいちばん最初にあげたニーチェアエックスを購入しました。

今回紹介した椅子は管理人自身がすべて現物を見て、座って確認しました。デザインが好みだったのはBKFチェア。対して座り心地が好みだったのは天童木工のハイバックチェア(M-0562)でした。

もちろん、これは管理人が出した結論です。私のように多目的に使うことを考えて選んでも良いですし、座り心地の好みで選ぶのも良いですね。

今回の記事が、読書好きの椅子ジプシーのためになったのなら嬉しいです。

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この記事を書いた人

家具のコーディネートを中心としたインテリアコーディネーター・スタイリストをしています。ジャンル問わず家具やインテリアを好み、民芸品や器、デザイン家電や植物などにも興味があります。
だいたい家にいますが、たき火は好きです。夢は、庭の広い古民家を買って、本を読みながらたき火をして過ごすこと。旅行も好きですが半径5メートルで世界が完結すればそれでもまた良し。

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